洛和会ヘルスケアシステムは毎月第3金曜日、はば広い地域の皆さまを対象に京都の市街地・四条烏丸で健康教室を開催しています。
6回目となる2月15日は、洛和会音羽病院 副院長(心臓血管外科) の武内俊史が「心臓病とは…??? 〜健康川柳B級編〜」をテーマに講演しました。
今日は「川柳」を使って、「こんなところに気をつけて、血管年齢を若く保って、健康な生活を送りましょう」という話をします。
★あきまへん 喫煙ストレス 引きこもり
たばこの害は言うまでもありません。一服吸った瞬間にも血圧があがります。「引きこもり」は運動不足ということです。血管も年をとるし、脳や心臓の機能も退化します。
★息切れは 年のせいとは 限らない
年のせいもあるでしょうが、あまりひどい場合は弁膜症なども考えられますから、心臓血管外科を受診してください。
★運動で 血管年齢 若くなる
血管年齢に一喜一憂することはありませんが、健康を保つための目安にしてください。特に、有酸素運動は効果的です。
★塩分は 控えて血管 楽になり
塩分を取りすぎると血圧はあがります。血圧が高いということは、家の壁をどついているようなものなので、壁である血管を傷めることにつながるのです。
★おなごはん 閉経後から 要注意
閉経後は女性ホルモンのバランスが変わって、動脈硬化が進むことがあります。健診などを受けて注意してください。
★肩こりも 狭心症の ことがある
狭心症の症状としては、胸が締め付けられるように痛い、というのが典型的ですが、肩がよくこる、偏頭痛、みぞおちが痛む、ということもあります。もちろんすべての肩こりがそうではありません。
★気にいらぬ 時にはセカンド オピニオン
ひとりの医者が判断することが正しいとは限りません。セカンドオピニオンを希望するのは失礼なことではないので、遠慮せず言ってください。
★食いもんで 血管寿命も 延び縮み
食べるな、とはいいませんが、毎日のように脂っこいものばかり食べると、血管に中性脂肪やコレステロールがヘドロのようにたまります。
★血圧は 一日に二度 測りましょう
血圧は一日中同じということはありません。一般的に朝は高く、また、ちょっとびっくりしただけでも高くなります。朝・夕2回測ってもらうと、薬を飲むタイミングの調整など、治療に大いに役立ちます。
★根性で 病気も治れば イイノニナ
個人的な経験から言うと「かぜ」の場合は治るかもしれません。しかし、治らない病気もたくさんありますので、無理せず受診してください。
★さらさらの 血液急には 詰まらない
濃すぎる血液は血管が詰まる原因になります。水分を取って、濃くなりすぎないように気をつけましょう。
★心臓は ケナゲな臓器で ございます
心臓は一生で、なんと30億回も打つんです。そして、少々悪くても文句を言わない臓器です。だからこそ、症状が出た時は相当悪いともいえます。
★スイカ大 でも動脈瘤は 無症状
動脈瘤は破裂すると命にかかわる病気です。症状がなくても、きちんと受診して治療しましょう。
★背に激痛 走ればすぐに 救急車
背中の激痛は急性大動脈解離の典型的な症状です。急性大動脈解離はいつ誰に起こっても不思議ではありません。「まさか自分が…」と考えず、急いで救急車を呼んでください。
★そりゃないよ メタボリックを 放置して
「食べてないのに太る…」そんなはずありません。太るのはやっぱりカロリー過多だからです。薬よりもまず食事に気を遣いましょう。
以上のことに注意していつまでも若さを保ってください。
あと、「賢い患者になるには」と、自戒の意味も込めて「こんな医者にはご注意を」を川柳で。
「賢い患者になるには」
★盗み見る 必要はない 我がカルテ
カルテは患者さまのものです。「見たい」「コピーして」と遠慮なく言ってください。洛和会音羽病院は電子カルテですので、診察中に一緒にパソコンの画面を見ていただけます。
★用意して しっかり医者に 聞きましょう
聞き忘れのないように、手帳に聞きたいことをまとめてメモしておくといいでしょう。
★ほんまかな 疑う心 大切に / にじみでる 会話のなかに 人となり
患者さまはどの医者にかかるかを選ぶことができます。しっかり考えて、自分に合った医者を選びましょう。
★体験談 周りの人に 訊いてみよう
「こんな医者にはご注意を」
★神の手だ? どこから見ても 人の手だ
手先が器用できれいに縫えるだけではすばらしい医者とは言えません。患者さまの全身のようすを診て判断することができる能力があることが良い医者の条件です。
★はっきりと 断言する医者 ウソくさい
★得意気に 自慢する医者 ヤメトコウ
★流暢な 説明にこそ チト待てよ
★いばってる 医者程ほんとは 偉くない
★ろくでもねぇ 医者も出ている テレビには