11月14日は世界糖尿病デー 〜ヒトはなぜ、糖尿病になるのでしょうか?〜
2008年4月に発表された国民健康・栄養調査の結果、わが国における糖尿病の人は約820万人、糖尿病予備軍は約1,050万人、合わせて約1,870万人でした。およそ7人に1人が糖尿病か、その予備軍ということになります。
最近は、マスコミなどで頻繁に糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病の特集が組まれ、その恐ろしさや対策は周知されつつあります。それでも、糖尿病とその予備軍の人は増え続けています。この傾向は世界においても同様で、特にアジア、中東、南米などの発展途上国で糖尿病が増加している点が注目されています。
世界糖尿病デー(11月14日)にちなんで、日本のみならず世界の糖尿病の現状について特集します。
洛和会音羽病院 内分泌糖尿病内科
部長 土居健太郎(どいけんたろう)
★食欲と糖尿病
メタボリックシンドロームのように肥満が原因で糖尿病予備軍であったり、糖尿病になってしまったりした場合、まずは、肥満の解消が治療の基本になります。
なぜヒトは太ってしまうのでしょうか? きっと、必要以上に食べ過ぎるからでしょう。ではなぜ、食べ過ぎてしまうのでしょうか? 私は「食べることはとても楽しく、幸せなことだから」だと思っています。食欲については、世界中で研究されいて、海外では、食欲を抑えることで体重を減らし、糖尿病も改善させる薬が開発され、実際に使われています。一部の人にとって、薬を使わなければならないほど、食欲の調整は難しいのではないかと私は考えます。
★痩せている人も
生活習慣の改善は大事なことと知っていても、4割以上の人は日常生活で体を動かすことをしていないそうです。また、朝食を抜く人が増え、夕食を9時以降に食べる人の割合も増えているそうです。2008年4月から特定健康診査(メタボ健診)が始まり、該当者は保健指導を受けることになりました。これを活用し実践できれば、太り気味の方は、糖尿病の予防になると考えます。
忘れないで欲しいのですが、痩せていても糖尿病になる人は少なからずいます。そのような方は、できるだけ早い段階から医療機関に相談されることが大事でしょう。
★怖いのは合併症
糖尿病に関する調査によると、糖尿病である人の3人に1人は自分が糖尿病であることを知らず、また、糖尿病と診断されても、2人に1人は治療を受けていませんでした。糖尿病と診断されても、治療せずに放置していたため、合併症が進んでしまうことは、とても悲しいことです。あとで後悔しないためにも、予防のみならず、早期発見、早期治療を実践して、健康ではつらつとした人生を送っていただきたいと願うものです。
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(『おとまるクン』2008年11月号より)
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