11月14日は世界糖尿病デー 〜アジア病と呼ばれる糖尿病〜
世界中で糖尿病の患者数が近年、急増しています。英国の科学誌「ネーチャー」によると、2000年に1億5,100万人だった世界の糖尿病患者数は、2010年には5割近くも増えて2億2,100万人になると推計されています。中でもアジアでの増加率は57%と高く、1億3,230万人を数えることが予想され、「アジア病」と表現されています。日本でも過去10年間に500万人以上も患者数が増えました。
糖尿病は「1型」「2型」の2タイプに分けられ、患者の9割以上が「2型」。食べ過ぎや肥満、ストレスが主な要因となって、すい臓のβ細胞の働きが落ち、インスリンの分泌量が減少したり作用が低下したりします。
最近、この「2型」の発症リスクを高める遺伝子がみつかりました。「KCNQ1」という遺伝子で種類がいくつかあり、2型患者のものは特定のタイプを示していると言われています。
同じ2型でも肥満が少ないアジア人では欧米人と発症の仕組みが異なると言います。分かっていることは、欧米人ではインスリンが分泌されていても働かない場合が多く、アジア人では分泌が低下しているということです。「KCNQ1」はインスリンの分泌を妨げているらしく、もしかしたらこの遺伝子が「アジア病」の真犯人なのかもしれません。
(元京都新聞編集員兼論説委員 洛和会ヘルスケアシステム顧問 川端眞一)
(『おとまるクン』2008年11月号より)
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