2008年12月29日

第16回らくわ健康教室「知ってトクするタバコの話」

Rakuwakenko0812a洛和会ヘルスケアシステムは毎月第3金曜日、幅広い地域の皆さまを対象に、京都の市街地・四条烏丸で健康教室を開催しています。
12月19日は、洛和会音羽病院呼吸器科の榎堀 徹(えのきぼり とおる)が「知って得するタバコの話」をテーマに講演しました。


今日は「タバコって、いったい何だろう」と、タバコの正体を知っていただくために話をします。
かつては男性の80%が吸っていたという時代がありました。こんな時代に比べると、日本人の喫煙率は下がっています。特に男性の減少が顕著です。一方で若い女性の喫煙率が上っているのが気になります。
また、喫煙に対する社会的な反発も少なく、健康被害もそれほど声高には言われませんでした。今でも、海外の多くの国では「死にますよ」など厳しい言葉が「パッケージ」に印刷されているのに、日本は穏やかです。政治や経済の思惑があるのかもしれませんが、いろいろな理由で、タバコの健康被害を十分には知らないままに吸ってきた方も多いと思います。
タバコを吸う人も吸わない人も、タバコの害を正しく知ることが大切です。今日はそのために、喫煙の害に加えて受動喫煙の害も詳しく説明します。

タバコの三大有害物質
日本人の死因の多くはがん、心臓病、脳卒中などが占めますが、これらの病気にはタバコが大きくかかわっています。タバコの煙に含まれる有害物質のうち、一酸化炭素、ニコチン、タールを三大有害物質といいます。「一酸化炭素」は酸素より、250倍も強くヘモグロビンに結合しますから、結果的には酸欠を引き起こします。「ニコチン」は血管を 収縮させ、血圧を上昇させ、脈拍も増加させます。タバコを吸うと脳血流は低下しているのに、これを頭がすっきりしていると脳は勘違いをしてしまいます。 またニコチンは依存症の原因になります。「タール」はズバリ「がん」をつくります。肺は真っ黒になり、切り取れなくなりますので、肺がんになっても手術がで きません。このほか数え切れないほどの有害物質があり、研究すればするほど、有害なことが実証されています。
タバコを吸う人と吸わない人を比べると、タバコを吸う人は「歯周病などで、歯がボロボロになる」「味覚がおかしくなる」など日常生活でも違いが現れますが、心疾患の死亡率の上昇、肺のさまざまな病気にかかりやすくなるなど命取りにもなりかねません。

副流煙の方が有害
Rakuwakenko0812bタバコの煙には喫煙者が直接吸い込む「主流煙」と火のついた部分から立ち上る「副流煙」があり、実は副流煙の方がはるかに有害です。「換気扇を回しているから大丈夫」とか「ドアの外でだから大丈夫」という話を聞きますが、こういった分煙の効果は十分ではありませんし、喫煙者はタバコを吸い終わった後も5分くらいは有害物質を吐き出していると言われています。

禁煙したいのに禁煙できない原因
しかし「タバコは身体に悪い」とわかっていてもなかなか禁煙できない人はたくさんいます。その原因はニコチンです。ニコチンというのは、わずか40〜60mg(タバコ約3本分)で大人の致死量となるほどの劇物ですが、実は「おいしい、ごほうびをもらった」と脳に勘違いさせる怖い物質なのです。いつもニコチンが体内に入っていると、おいしいものを食べても遊んでもそれだけでは満足できなくなり、食べて遊んでさらにニコチンを吸ってようやく十分な幸せを感じるようになってしまうのです。これがニコチン依存症であり、肉体的な依存です。また「ご飯を食べた後に一服」というように喫煙が習慣化している人も多いでしょう。これは心理的な依存です。このように肉体的にも心理的にも依存しているため、禁煙がなかなかできない人が多いのです。

さあ、そこで「卒煙のコツ」を伝授しましょう。「あ、い、う、え、お」です。

  1. 「あ」かるくやめよう
    卒煙すると、元気になるは、きれいになるは、でいいことばかり。
  2. 「い」っきにやめよう
    本数を減らしても、深く吸ってしまうため、かえって悪いこともあります。いっきです。
  3. 「う」ごいてやめよう
    ハードなダンスをしてもいいでしょう。私は歌ってやめました。
  4. 「え」んをむんでやめよう
    医師も保健師もついています。
  5. 「お」きあがりこぼしでやめよう
    七転び、八起きでいいんです。

「卒煙」に年齢制限はありません。翌日から健康な生活を取り戻すことができます。

今日の話をぜひ家族や知り合いに話してあげてください。そしてタバコのない社会を創りましょう。


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ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録3

 

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