洛和会音羽病院 副院長 神経内科 木村 透(きむら とおる)
〔神経内科専門医・頭痛学会認定専門医〕
日本人の約4分の1(3,000万人)が頭痛で悩まされ、15歳以上の8.4%(800万人以上)が片頭痛持ちといわれています。女性が男性より4倍多く、30歳ぐらいにピークがあります。(月経時に起こり、生理痛と紛らわしい場合もあります)
片頭痛は、吐き気、気分不快、キラキラ光る見えにくさ(閃輝暗点)などの予(前)兆に続き、ズキズキした痛み(拍動痛)がこめかみあたりに出現します。数時間から長くて3日間ほど続き、ひどい場合は、体を動かしたり、入浴するのも苦痛で、光や音や臭いに過敏になり、寝込んでしまいますが、発作のないときはけろっとしています。典型的には、こんな頭痛発作を繰り返しますが、ほかにもさまざまなパターンがあります。片頭痛は、命にかかわる危険な頭痛ではありませんが、仕事や生活の質(QOL)に多大な悪影響を与えることが、WHO(世界保健機関)からも指摘されています。
頭部血管の拡張、炎症そしてセロトニンという化学物質の異常が以前から片頭痛の原因といわれており、これらに対する特効薬(トリプタン製剤=医師の処方が必要です)が開発されました。多くの人は病院にも行かず、市販の鎮痛薬で我慢していますが、週に2回以上薬を飲む人は要注意です。薬物乱用頭痛、慢性連日性頭痛となり、かえって治療が難しくなります。正しい知識を持ち、コントロールすることが大切です。片頭痛と思っていたら別の病気が隠れていることもあります。神経内科や頭痛の専門医に、ぜひ一度相談してみてください。
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(『おとまるクン』2009年2月号より)
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