2009年05月14日

肺の生活習慣病をご存じですか?

〜5月9日は呼吸の日〜

慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気は、以前は肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていました。長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから「肺の生活習慣病」といわれています。

0905kokyu洛和会音羽病院 呼吸器科 部長 榎堀 徹(えのきぼり とおる)

国内のCOPD患者数は500万人から700万人と推定されますが、実際に治療を受けているのは22万人に過ぎないといわれています。
初期には無症状なことが多く、40歳を過ぎて風邪が治っても咳と痰が続いたり、同じ年代の人と並んで坂道を上るとき1人だけ遅れるなどの症状を自覚すると、この病気が疑われます。特に、重い物の上げ下げや、坂道や階段を上るときの息切れが特徴です。
測定装置で肺活量や換気量を調べるスパイロメトリーという検査で、特に1秒量(最初の1秒で吐き出せる空気の量)という呼出時の機能測定が診断のカギになります。また、胸部レントゲンで見つからないことが多く、高解像度の胸部CTが有用です。早期に発見して、治療を行うことが必要ですが、一番大切なことは禁煙をすることです。
喫煙習慣に関連したもう一つの病気は肺がんです。COPDと合併して起こることが多く、治療に難渋することがしばしばあります。喫煙習慣のある人は1年に1回から2回の胸部レントゲン検診や肺ドック(CT検診)を受けることをお勧めします。
肺の生活習慣病の予防や対策のために、日本呼吸器学会は約10年前に8月1日を「肺の日」と定めました。一昨年には5月9日を「呼吸の日」とし、「呼吸器疾患をなくすためには、予防が最も大切なこと、そのためには禁煙運動を始めとする各種の啓蒙運動が重要である」としています。
さあ、あなたも今日から、いえ、今から肺の生活習慣病予防のために禁煙を始めましょう!!

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0905otomarukun (『おとまるクン』2009年5月号より)
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