2009年09月04日

知っているようで知らない“がん”の実態

0909gan1 洛和会丸太町病院 院長 二宮 清(にのみや きよし)

世界の脅威“がん”
世界保健機関(WHO)の報告によると2005(平成17)年の全世界の死亡数5800万人のうち、がん死は13%(760万人)で、部位別にみると最多は肺がん(130万人)で、胃がん(100万人)、肝がん、大腸がん、乳がんが続きます。日本でも1981(昭和56)年から死因のトップとなり、2006(平成18)年には死因の3割を占めるようになりました。

そもそも“がん”ってどんな病気?
遺伝子に突然変異が起こり、無制限に増殖する能力と、血管やリンパ管を介して転移する能力を持つようになった細胞を“がん細胞”といい、それによって引き起こされる一連の病気を“がん”といいます。がん細胞は増殖する際に、無制限に栄養を奪いながら臓器の正常な組織をむしばみます。
遺伝子の突然変異は

  • 喫煙
  • B型・C型肝炎ウイルス
  • ピロリ菌感染

などが原因で起こることがわかってきました。
がんの予防のためには、禁煙、化学物質の摂取をしないこと、感染症の治療に取り組むことが大事です。

がん治療の今後
近年、新規の抗がん剤、抗ウイルス剤、分子治療薬、ホルモン剤の開発、免疫療法や遺伝子治療などの新たな治療法や、高性能の放射線治療機器の応用により、不治の病といわれたがんの治療に新たな可能性ができつつあります。

洛和会ヘルスケアシステムは、現在まで、洛和会音羽病院の外来化学療法、洛和会音羽記念病院の緩和ケア、在宅がん患者さまの往診医療に取り組んでまいりました。今後も増え続けるがん患者さまと地域がん医療の将来を見据え、がん専門の医師、看護師、薬剤師の養成、最先端の診断・治療機器の導入、がん専門治療棟の新設などを数年以内に計画しています。完成後は、がんの最先端の診断・治療から緩和ケア・在宅医療までを担うことが可能になります。

お問い合わせ
洛和会丸太町病院   075(801)0351(代)
洛和会音羽病院   075(593)4111(代)
洛和会音羽記念病院  075(594)8010(代)


特集「がん」も「救急」も
〜9月はがん征圧月間/9月9日は救急の日〜

がん治療と救急医療は対極にあるもので、その共存には英知が必要ですが、洛和会ヘルスケアシステムでは一丸となって「がん征圧」と「断らない救急」の両立をめざします。


200909 (『おとまるクン』2009年9月号より)
「おとまるクン」は患者さま・利用者さま向けの広報誌です。健康管理や病気の治療に関する解説を中心に、医療・介護施設の紹介やイベント情報などを掲載しており、毎月1日に発行しています。
洛和会ヘルスケアシステムの各施設の入り口にラックを設置し、自由に持ち帰っていただけるようになっていますので、来院・来所された際にはぜひ手にとってご覧ください。

■広報誌「おとまるクン」についてのお問い合わせは
アールプランニング TEL 075(593)7789 まで



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