近年、日本で乳がんにかかる人は増え続けており、日本女性の20人に1人が乳がんになるといわれています。
洛和会音羽病院 放射線科
部長 友井 正弘(ともい まさひろ)
乳がんによる死亡者数も毎年増え続け、2007(平成19)年には11,323人が乳がんで亡くなっており、交通事故の総死亡者数よりも多くなっています。また、その年齢別発生頻度を見ると、30歳代以降に上昇し45〜50歳のところにピークがみられます。この年代の女性は家庭的にも社会的にも重要な立場であることから、乳がんは深刻な社会問題となっているのが現状です。
しかし、乳がんは早く見つけさえすれば比較的に治りやすいがんですので、恐れるばかりではなく検診を受け、中でも画像診断により早期に発見することが非常に重要です。しこりや皮膚の引きつれなど、自分で変だとわかることもありますが、しこりをつくらないがんや、早期の小さながんなどの場合は検査しなければ早期に発見できません。
乳腺の画像診断にはマンモグラフィ、超音波検査、MRIが主として使われますが、それぞれ長所、短所があり、目的に応じて使い分けていく必要があります。最近の検診ではマンモグラフィによる画像診断が多くなっています。マンモグラフィでは周囲とは異なる塊状のしこりや、白い砂(カルシウム)をまいたような“石灰化”がみられたりします。ただ、これらがすべてがんとは限りません。むしろがんではないことの方が多いのです。私たち専門医はしこりや石灰化した部分の形、広がり方などさまざまな角度から検証してさらに詳しい検査が必要かどうかを見極めていきます。
定期的に検診を受けて、ご自身の命も乳房も守っていただききたいと思います。
マンモグラフィ画像
非触知(しこりを触れない)の乳がん
がん特有の形をした石灰化が認められる
※マンモグラフィ検査は女性技師が担当いたします。
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洛和会音羽病院 健診センター
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(『おとまるクン』2009年10月号より)
「おとまるクン」は患者さま・利用者さま向けの広報誌です。健康管理や病気の治療に関する解説を中心に、医療・介護施設の紹介やイベント情報などを掲載しており、毎月1日に発行しています。
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