〜怖い合併症も?〜
洛和会音羽病院 小児科 医員 井代 学(いしろ まなぶ)
一般的に「おたふく風邪」と呼ばれる流行性耳下腺炎は、だ液をつくるだ液線〔耳の下にある耳下腺やあごの下にある顎下腺(がっかせん)〕にムンプスウイルスが炎症を起こすことをいいます。耳下腺・顎下線に炎症が起こると、その部分が腫れてあたかもおたふくのお面のように顔がまあるくみえることから、この名前で呼ばれるようになりました。
ウイルス感染症ですので、集団生活を始める4歳前後に最もかかりやすく、だ液腺の腫れとともに発熱することがほとんどです。また、それほど高頻度ではありませんが、無菌性髄膜炎、重度の難聴、睾丸炎(こうがんえん)などの怖い合併症の心配があります。ムンプスウイルスに対する特効薬はありませんので、重い症状や後遺症で苦しむよりは、ワクチン接種で抵抗力をつけて感染を防ぐほうが賢明といえるでしょう。
現在は任意予防接種として、1歳以降に接種することが可能です。お子さんに早いうちから集団生活をさせるのでしたら、万が一を考え、おたふく風邪の予防接種も受けることをお勧めします。ほかの予防接種とのスケジュールについては、ぜひ小児科医にご相談ください。
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(『おとまるクン』2009年10月号より)
「おとまるクン」は患者さま・利用者さま向けの広報誌です。健康管理や病気の治療に関する解説を中心に、医療・介護施設の紹介やイベント情報などを掲載しており、毎月1日に発行しています。
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