2010年03月11日

第30回らくわ健康教室「中高年の健康管理〜特に知っておきたい婦人科疾患〜」

洛和会ヘルスケアシステムは毎月、幅広い地域の皆さまを対象に、京都の市街地・四条烏丸で健康教室を開催しています。
2月19日は洛和会音羽病院 産婦人科部長の掘 隆夫(ほり たかお)が「中高年の健康管理〜特に知っておきたい婦人科疾患〜」をテーマに講演しました。今回も満員の盛況でした。


100224hori ★はじめに 
女性は閉経期以降、女性ホルモンの欠乏によって、動脈硬化性疾患や骨粗しょう症などが、急激に進行します。女性の平均寿命が、85歳を超え、人口の12%が高齢社会となっていますが、健康な生活(自立)ができる健康寿命を延ばし、豊かな生活を送るには、更年期から、疾患予防の生活習慣を身につけてほしい。そうでないと、要介護期間が長期に渡ることになります。
特に、子宮体がん、卵巣がん、乳がんは更年期以降に発症のピークを迎えるため、ぜひ早期検診を受けてほしい、と思います。

★更年期以降にみられる異常と対策について
女性ホルモン(エストロゲン)は、更年期になると、急激に減少、自律神経の失調をきたし、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)などをはじめ、さまざまな症状を呈し、将来的には、高脂血症、動脈硬化、骨粗しょう症の原因にもなります。
閉経後は高コレステロール血症が急増し、心筋梗塞の発生率も急増します。

ホルモン補充療法(HRT)
急減したエストロゲンを補うには、ホルモン補充療法(HRT)があり、ほてりや発汗、動悸には非常に有効です。
エストロゲンはLDLコレステロールを低下させ、HDLコレステロールを増やして、動脈硬化を予防する効果があります。また骨基質をふやし、骨を丈夫にします。
女性ホルモンの投与方法には、エストロゲンを単独で投与するほか、いろいろな方法がありますが、子宮がある場合は黄体ホルモンを併用します。5年未満の使用では、乳がんを起こすことはほとんどありません。
開始するタイミングは閉経後早期がのぞましく、乳がん、子宮体がん、血栓症のある人は絶対に避けなければなりません。

経口避妊薬
経口避妊薬の服用は月経困難症をはじめ、子宮体がん・骨粗しょう症などの発生頻度を下げるなど、避妊効果以外に多くの副効用があります。

★女性特有のがん

子宮頸がん

発生総数は変わっていませんが、浸潤がんが減少し、早期がんは増加し続けています。また、40歳以上の発生率は減少していますが、若年層で増えています。

子宮体がん
欧米並みに急増しており、閉経後の女性に圧倒的に多く見られます。子宮体がん患者の平均年齢は50〜60歳で、月経不順であれば、20〜40歳代でも発症することがあります。
危険因子として閉経、肥満、初妊娠年齢が高い、妊娠・出産歴がないか、少ないことや、タモキシフェン(乳がん治療薬)の長期服用があげられます。

卵巣がん
欧米では発生率も死亡率も高く、わが国でも1960年以降、初産年齢が高く出産回数も減っているため、卵巣がんのリスクが高くなっています。
子宮内膜症のある人は併発しやすいため、動物性脂肪を好む人は要注意です。

乳がん
世界的に増加しており、日本でも発症率は20人に1人と女性にとってもっともかかりやすいがんです。20歳代から発生し、40歳代から50歳代が発症のピークで、女性の壮年層(30〜64歳)のがん死亡原因の第1位となっています。ゆっくり進行し、浸潤すると、血管やリンパ管を通って、全身に転移します。


いずれにしても、長寿で、健康な生活を送るには、早期発見が何よりです。健診の機会を逃さず、積極的に受診しましょう。

ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録3

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