4月23日は、洛和会音羽病院 入院管理課 主席係長の二谷 功佑(にたに こうすけ)が「医療費」をテーマに講演、「利用できる制度は上手に利用しましょう」と、医療費のしくみや助成制度をわかりやすく解説しました。今回も満員の盛況で、皆さま熱心に聴講されていました。
講演の要旨は次の通りです。
「一生涯にかかる医療費は1人2,200万円ともいわれ、その約半分が70歳以降に必要になります」
「医療費の自己負担割合は年齢によって1割から3割と決められています」
「入院や手術などを受けた際の高額医療費や病気、年齢によって、さまざまな助成制度があるので、これを活用していただきたい」
診療費の種類
- 初診料(初めて医療機関にかかったときにかかる診療料金)
- 再診料(同じ病気で、同じ医療機関を受診したとき、2回目以降にかかる診療料金)
- 検査料
- 注射料
- 手術料
上のような種類の費用があります。
このほか入院中の「食事料」は医療費とは別の扱いですし、1〜4人部屋を希望すれば「差額ベッド代」なども必要になります。
疾患別の医療費の例
- 急性虫垂炎で9日間入院すると、3割負担で184,720円、1割負担で、44,400円。(金額に関してはあくまでも一例)
- 腹膜炎で21日間入院すると、3割負担で583,820円、1割負担で44,400円。(金額に関してはあくまでも一例)
高額療養費制度
医療機関に支払った高額な医療費の一部が戻ってくる制度があります。
払い戻しには3、4月かかるので、支払い見込みの8割程度を無利子・無担保で貸し付ける制度もあります。
先ほどの医療費もこの高額療養費制度を利用すると次のようになります。
- 急性虫垂炎は3割負担で83,587円。
- 腹膜炎は3割負担で96,890円。
※ただし、所得などの条件で金額は変わります。
高齢者医療制度
65〜74歳が前期高齢者、75歳以上が後期高齢者となっていますが、65〜75歳未満でも「一定の障がい」があると「後期高齢者医療制度」の被保険者となります。
まとめ
入院ともなれば、医療費は高額になります。利用できる制度は利用し、少しでも医療費を軽減し、治療に専念できる体制を作ってください。