5月21日は、洛和会音羽病院 栄養科 係長の長谷川 由起(はせがわ ゆき)が「骨粗しょう症を予防するための食事」をテーマに講演、「単にカルシウムを摂るだけでなく、吸収をよくする栄養素、吸収を阻害する要因」などくわしく説明しました。会場はいつもにも増して女性の聴講者が多く、皆さん熱心に聴いておられました。
今日は骨粗しょう症を防ぐにはどうすればいいか、特に食事の面から話をします。
骨粗しょう症は女性に圧倒的に多い病気で、50歳代女性の18%、80歳以上の女性では、ほぼ50%に症状があります。
骨はリン酸カルシウムなど、ほぼカルシウムで構成され、日々新陳代謝(リモデリング)を行って、健康を保っています。カルシウムが不足したり、新陳代謝のバランスが崩れると骨粗しょう症になりやすくなります。
3つの予防のポイント
カルシウムを十分にとる
- 国民健康・栄養調査で多くの方がカルシウムの必要量をとれていないことが明らかにされています。
- カルシウムが多く含まれている食品は(1)牛乳・乳製品(2)大豆製品(3)魚類(4)野菜・海藻類で、(1)から順に吸収率が良い順です。牛乳200mlには220mgのカルシウムが含まれています。
カルシウムの吸収を良くする栄養素をとる
- 週のうち半分は魚料理にし、きのこも食べましょう。
- 緑黄色野菜を1日100〜130gはとりましょう。
カルシウムの吸収を阻害する要因を減らす
- インスタント食品、練り製品、スナック菓子、炭酸飲料を控えましょう。
- 食塩摂取量を減らしましょう。
- カフェインやアルコールの多飲、喫煙を控えましょう。
まとめ
骨粗しょう症を防ぐための基本は、栄養バランスの良い食事です。毎食、 主食・主菜・副菜をそろえて食べましょう。
カルシウムの適量摂取には牛乳・乳製品をとるのが効果的です。牛乳を飲めない方は、ヨーグルトなどの代用品を取ったり、牛乳を料理に混ぜたり、隠し味にスキムミルクを使うなど工夫しましょう。
散歩やストレッチなどの運動は、骨粗しょう症予防・転倒防止に効果的です。