8月6日は、洛和会音羽病院 臨床検査部 次長の牛山 多恵子(うしやま たえこ)が、頸動脈の動脈硬化を検査する頸動脈エコー検査について、講演。また実際に検査機器で、簡易な検査も行いました。この日も猛暑日でしたが、会場は満員で、皆さま熱心に聴いておられました。
講演の要旨は以下の通りです。
頸動脈エコーは動脈硬化のすすみ具合を調べることができる検査のひとつです。
まず「動脈」とは?
- 心臓から押し出される血液を運ぶ血管のことで、全身に栄養たっぷりの血液を運びます。
- 高い圧力に耐えるため、三層からなる丈夫な構造を持つ。
- 柔軟性や弾力性に富み、簡単に破れたり、詰まったりしません。
食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒などで、血管の動脈が硬くなる動脈硬化を引き起こすことがあります。しなやかさが失われ、血液をうまく送りだせず、心臓に負担がかかります。
動脈硬化がすすむと…
動脈硬化によって起こる病気には次のようなものがあります。
- 心臓に大きな負担がかかる→心肥大、心不全
- 血管が狭くなったり、詰まる→心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症
- 血管が破れやすくなる→脳出血
頸動脈エコーとは?
頸動脈の動脈硬化をエコーで評価する検査です。検査時に痛みはなく、寝転んでもらって検査します。
頸動脈エコーで観察するもの
- 動脈硬化の有無
血管壁が厚くなったり、硬くなったりしていないか観察します。 - プラーク
血管の内側に隆起物(プラーク)がないか観察します。 - 詰まり具合
血液の流れが良好か観察します。
さらに、いくつかの症例をエコー画像とともにスライドで説明した後、会場の方、数人を検査しました。
ひと言
検査を受けたい、検査のことや症状で、聞きたいことがあれば、主治医やかかりつけの医師に相談してください。