9月17日は、洛和会音羽病院 看護部師長で、皮膚・排泄ケア認定看護師の伊藤洋子(いとう ようこ)が、若々しく、きれいな肌を保つ方法について講演しました。
伊藤師長は、ベッドでの床ずれ予防や治療、失禁による肌トラブルのケアなどに精通したお肌の病気ケアのプロですが、この日は「若々しい肌を保つ方法」がテーマで、聴講者は女性が9割を占める人気。実は、「スキンケアは男性にも大切」とあって、皆さん真剣にきいておられました。
講演の要旨は次の通りです。
皮膚は人体で最大の臓器
皮膚は、人体で最大の臓器で、単なる皮ではありません。
人間の皮膚の面積は1.6平方メートル、重さは約5キロもあります。アレルギー性反応(薬疹、じんましん)、ストレス(口角の荒れ、肌荒れ)、栄養不足(肌荒れ、乾燥)、ホルモンバランスの不調(にきび、湿疹)など、さまざまな全身機能の反応を示します。
皮膚の働き
角質層は水分喪失を防ぐ、保湿機能があり、温度を調節し、弱酸性に保って、菌が繁殖するのを防ぐなど、さまざまな機能があります。
皮膚に(悪)影響を与えるさまざまな要因
皮膚の外側からは、紫外線、病原体、化学物質(尿、便、汗)温度、湿度など、内側からは、メンタルストレス、栄養障害、加齢、疲労、内臓疾患、血行動態など、いろいろな影響を受けます。
「スキンケア」の意義と基本
「皮膚の健康を保つことは、心身の健康を保つこと」です。
スキンケアの基本は以下の通りです。
- 洗浄・・・弾力のある泡で、やさしく包み込むように。
泡で摩擦による肌への刺激を防ぎ、汚れを吸着し、汚れの再付着を防ぎます。
洗顔は、ぬるま湯で、もちもち泡で洗ったあと、十分にすすぎましょう。 - 清潔
常にきれいな衣服、きれいな空気・整理整頓、汚染物、垢の速やかな除去を。 - 保湿
乾燥させないことが大切です。かさかさはすべての敵!
こすらないように押し拭きし、保湿剤は風呂上り、10分以内に塗りましょう。 - 保護
紫外線対策(冬でも、日傘、日焼け止め)や、手荒れの場合は撥水効果のあるハンドクリームがよく、睡眠中はクリームを塗って、シルクの手袋などをすることもおすすめします。
健康的なお肌のためには
睡眠・・・特に夜10時から2時のゴールデンタイムには、睡眠をとるようにしましょう。
栄養・・・バランスの良い食事が大切です。特に、ビタミンAやビタミンC、たんぱく質を。
運動と入浴・・・入浴はリラックス効果がありますが、半身浴は、お肌のためにはよくありません。