2010年09月29日

第23回らくわ健康教室「抗がん剤治療〜がんとの共存をめざして〜」

9月10日は、洛和会音羽病院 感染症科総合診療科の医師 青島 朋裕(あおしま ともひろ)が、抗がん剤の治療について講演しました。
青島医師は「抗がん剤のイメージとして、髪の毛が抜けるなど、副作用があり怖いというマイナスイメージがあるのでは?」としながらも、「副作用は、ある程度予測でき、対処法を知っていれば、症状を軽くすることができる」と説明、大事なことは「抗がん剤治療の利点・欠点を正しく理解し、自分自身が納得して抗がん剤治療を受けるかどうかを決定すること」と述べました。


その他の講演の要旨は次の通りです。

―なぜ抗がん剤治療をうけるのでしょうか?

抗がん剤治療(今では化学療法というケースが多いですが)は、細胞の増殖を防ぐ治療法で、がんが増えるのを抑えたり、成長を抑えたりします。
手術療法や、放射線療法が、がんに対しての局所的な治療であるのに対し、抗がん剤は、より広い範囲に治療の効果が期待できます。(遠隔転移したがん、転移の予防、血液やリンパのがんなど)

つまり次のような目的で抗がん剤治療を行います。

  • がんを治癒させる(白血病や悪性リンパ腫などの血液のがん、一部の泌尿器科・婦人科系がん)
  • がんの進行を遅らせる(乳がん、卵巣がん、小細胞肺がんなど)
  • がんによる症状を和らげる(食道がん、胃がん、腎がん、膀胱がんなど)
  • 転移・再発の予防(乳がん、胃がん、食道がんなどで、手術、放射線療法などの局所治療の後に、再発予防目的で、薬物療法を行う)

―化学療法薬の種類

  1. 殺細胞薬(いわゆる抗がん剤)
    多種多様な薬に、100年近い研究の歴史があり、その多くは効果や副作用がわかっています。どんながんにも、ある程度の効果が期待できます。
    <副作用>脱毛、嘔吐など、正常細胞への障害が強い。
  2. 分子標的治療薬
    がん細胞の中で働いている特定の分子を標的にします。正常細胞に対しての影響は少ないことが期待できます。
    <副作用>皮膚症状、肺繊維症、血管毒性など特殊・特徴的な副作用が起こる。
  3. ホルモン剤・免疫療法剤
    特定のがん(前立腺がん、一部の乳がんなど)で有効です
    <副作用>致命的な副作用は少ないが、多彩で、長期に渡ることが多い。(糖尿病、むくみ、ほてり、めまい、うつなど)

100910rakuwa―主な副作用

「アレルギー反応」 「骨髄抑制」 「吐き気、嘔吐」 「下痢・便秘」 「口内炎」 「脱毛」 「手足のしびれ感」などです。

―最後に

  • 治療の目的をしっかり確認することが大事です。
  • 治療で期待し得る効果(治癒・延命・症状緩和)と、治療による不利益・リスク(副作用・入院・通院・費用など)のバランスを考えましょう。
  • 担当医と情報を共有しながら、納得のできる方針を決めていきましょう。
  • 担当医とゆっくり話ができる日時を確認しましょう。
  • 聞きたいこと、希望することを、メモしておくと良いでしょう。

ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録3



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