2010年11月17日

第31回らくわ健康教室「足が痛いのに心臓内科で診てもらうのですか?」

11月5日は、洛和会丸太町病院 CE部 臨床工学技士の塩田 裕啓(しおた やすひろ)が、下肢の動脈硬化が原因で起こる「閉塞性動脈硬化症(ASO)」について、症状や治療法などを、わかりやすく講演しました。心臓内科で診察するという意外な展開に、皆さん興味深く聴いておられました。


塩田技士の講演要旨は次の通りです。

101105shiota 足が痛くなる原因

足が痛くなる原因には、まず、骨や関節の病気 神経の病気 があり、これは整形外科が中心となって診療します。さらに、動脈硬化が原因で起こる病気もあり、これは心臓内科が中心となって診療します。

動脈硬化について

動脈硬化とは、血管(動脈)が硬くなることです。「粥腫(じゅくしゅ)」という脂のかたまりが血管内にできることにより、血管が狭くなって、血液が流れにくくなり、組織が腐ることもあります。
動脈硬化を起こしやすい部位は、頸部・心臓・腕の付け根・腎臓などの動脈ですが、下肢(足)も動脈硬化になりやすい部位のひとつです。

閉塞性動脈硬化症(ASO)

下肢が動脈硬化症になると、血流が悪化し、さまざまな症状が現れます。これを「閉塞性動脈硬化症(ASO)」といいます。

<ASOの症状>

  1. 冷感・しびれ感
  2. 間歇性跛行(かんけつせいはこう)
    数百メートル歩くとふくらはぎ等が締め付けられるように痛くなり、少し休むと治まることです。
  3. 安静時疼痛:
    じっとしていても痛みます。
  4. 潰瘍・壊死:
    組織が腐ってきます。

こういった症状に心あたりがあれば、ぜひ「心臓内科」で診察を受けてください。

診察と検査の流れ

  1. 問診、視診:
    症状や生活習慣について確認するとともに、足の状態を見せてもらいます。
  2. 触診:
    足の甲、くるぶしの下、ひざの裏などの脈をはかります
  3. 上腕足関節血圧比(ABI):
    腕と足の血圧を同時に測って、血管の動脈硬化の程度をみます。
  4. 超音波検査(エコー検査):
    超音波をあてて血管のつまりや血流を観察します。

治療方法

症状や検査結果に応じて患者さまと相談しながら、以下のような治療を進めていきます。

  1. 運動療法:
    1回30分程度の運動を1日2回、毎日行います。寒い日は屋内で行いましょう。
  2. 薬による治療
  3. 血行再建術:
    バイパス手術やカテーテル治療(風船やステントで血管を押し広げる治療)です。

日常生活の注意点

  1. バランスのよい食事をとる。塩分の取りすぎに注意する。
  2. 適度な運動を行う
  3. 禁煙
  4. ストレスの解消
  5. 足を清潔に保つ
  6. くつ下をはく、足にあった靴をはく
  7. 長時間の正座は避ける
  8. 症状のある場合、早めに心臓内科を受診する
  9. 動脈硬化になりやすい方(例:高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙者など)は定期的に検査を受ける

協力
洛和会CEセンター 塩田 裕啓、羽田野 かおり、羽生 真耶、久下 真洋、疋田 健、佐々木 義憲
洛和会京都血管内治療センター・心臓内科 富士榮 博昭、小山田 尚史、井田 円、浜中 一郎、 上田 欽造


ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録3



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