11月12日は、洛和会音羽記念病院 院長の小川 豊(おがわ ゆたか)が、「皮膚がん」の見分け方や治療法について講演しました。「ホクロはがんかも…」という気になる演題を、数多くの症例を記録したスライドをつかって、わかりやすく解説。皆さま理解を深めました。
小川院長の講演要旨は次の通りです。
皆さまは、顔などにあるいろいろな黒いものを“ホクロ”といいますが、ホクロのこともあれば、良性や悪性腫瘍もあります。ホクロはレーザーなどで、簡単に治療できます。悪性の腫瘍でも、早期に治療すると治癒率が非常に良いです。自分で見えるわけですから、今日はしっかりスライドもみて勉強をして、理解してください。
腫瘍と色
良性腫瘍も悪性腫瘍も茶、黒、赤、黄色などいろいろな色をしていますが、「悪性黒色腫」など、一般的に黒色のものは、要注意です。
主な皮膚悪性腫瘍(さまざまな症例のスライドを見ました)
- 有棘細胞がん
- 基底細胞がん
- 脂腺がん
- 悪性黒色腫
- ページェット病(がん)
がんになりやすい状態
- 足底のホクロ
- 頭のヤケドのきず
- 慢性放射線皮膚炎
- 大きな色素性母斑(クロアザ)
- 色素性乾皮症
- 免疫力の低下した人のイボ
検査、診断には「ダーモスコープ」があり、診断が困難なものもありますが、悪性色素性病変のスクリーニングに有用です。
まとめ
- 脂腺がんは「めいぼ」と、ページェット病は「湿疹」と誤診することがあります。
- 基底細胞がんや有棘細胞がんは早く治療すると治ります。
- 悪性黒色腫は、2.よりタチが悪いので、もっと早く、せめて大豆の大きさ、ほくろの大きさで、発見する必要があります。