2010年12月01日

がんを知る 乳がんの治療法(2)

治療の個別化と予防

洛和会音羽病院 外科 部長 兼務
音羽ブレストセンター センター長 山口 哲哉(やまぐち てつや)
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 現在、乳がんの治療において最も大きな潮流となっているのは、個別化医療です。2000(平成12)年にスタンフォード大学などから提唱された「Intrinsic subtype(イントリンジック サブタイプ)」という考え方があります。それは、乳がんの細胞からm-RNAを抽出し、遺伝子を調べたところ、乳がんの遺伝子は、大きく5つのタイプに分類できるという考え方です。

 それぞれのタイプによって今後の症状についての見通しが異なるため、個別に治療を変える必要があります。これらのタイプは、ホルモン感受性やHer2遺伝子の検索やKi−67など、従来から行っている免疫組織化学検査である程度の推測が可能なため、最近ではそれらの検査結果から5つのタイプに推測して治療を行うようになってきています。また、今後は、実際のがん細胞の遺伝子発現を解析する検査が導入される可能性が高く、さらに個別化された医療となっていくことが予想されます。

 しかし、ここでもう一度考えなければいけないことが乳がんの早期発見、つまり二次予防です。現在、乳がん検診の受診率は全国平均で13%程度ですが、早期発見・早期治療・早期の社会復帰のためには検診受診率をさらに上げることが必要です。

 当院では2010(平成22)年秋に乳がんをはじめ乳房の病気全般の診断と治療を行う「音羽ブレストセンター」を開設しており、乳がん検診の充実においても全力をあげて協力をしていきたいと考えています。



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