2011年01月06日

肺がんの基礎知識

肺がんは、がん死亡率の第1位、最大のリスクファクターは喫煙

Enokibori洛和会音羽病院 呼吸器科 部長 榎堀 徹(えのきぼり とおる)

2005(平成17)年、がんの部位別罹患(りかん)率の順位は、男性では胃がん、肺がん、大腸がん、女性では、乳がんをトップに肺がんが4位であり、男女ともに増加傾向にあります。
ところが、疾患別の死亡率をみると、肺がんが全体の死亡原因の第1位で、男性では第1位、女性で第2位となっています。日本における肺がん死亡率は今後、ますます増え続け、2020年には13万人を超えると予測されています。 
肺がんは1年間に罹患した患者さまのうち、82.4%が死亡してしまうがん(ほかのがんでは、乳がん:27.0%、大腸がん:38.4%、胃がん:48.7%)で、多くは進行がんとして発見され、治療が非常に困難な病気です。
肺がんによる死亡率は、1950年代から世界的に増加してきましたが、男性に関しては、イギリスやアメリカなど一部の国では減少傾向に転じてきています。その原因は、欧米における禁煙対策の成果が出ているからだと予想されます。すなわち、肺がんの最大のリスクファクターは喫煙です。
検診や他疾患治療中に偶然発見される早期の肺がんから、まひ、けいれんなどの脳転移、腰痛など骨転移が初発症状として発見されるものも多く、発見時に進行がんであることが多いことも治療後の経過が良くない原因の1つです。肺がんの治療のカギは、喫煙、受動喫煙の防止と早期発見のための検診(X線検査・撮影、CT、喀痰〔かくたん〕細胞診)にあるといえます。

【お問い合わせ】
洛和会丸太町病院 呼吸器科  075(801)0351(代)
洛和会音羽病院 呼吸器科  075(593)4111(代)

【ご予約】
洛和会丸太町病院 予約センター  0120(489)244
洛和会音羽病院 予約センター  0120(489)300


肺ドックのご案内
肺がんは早期発見が大切です


早期の肺がんは自覚症状で発見されることはごくまれです。早期発見のために定期的に肺ドックを受診しましょう。
64列マルチスライスCT装置を使用、数秒間息を止めて検査するだけで、数ミリ単位の肺がんを見つけることができます。

検査項目

  • 血液検査
  • 腫瘍マーカー
  • 計測(身長、体重など)
  • 胸部CT検査
  • 喀痰(かくたん)検査  など

費用
●人間ドックと併用の場合 ドック料金+26,250円(税込)
●肺ドック単独の場合   31,500円(税込)

肺ドックについて
【お問い合わせ・ご予約】
洛和会音羽病院 健診センター
 0120(050)108

肺ドックについて、くわしくはこちらのページもご覧ください。
http://www.rakuwa.or.jp/kenshin/d-hai.html

Otomaru1101_2 『おとまるクン』2011年1月号より)
「おとまるクン」は患者さま・利用者さま向けの広報誌です。健康管理や病気の治療に関する解説を中心に、医療・介護施設の紹介やイベント情報などを掲載しており、毎月1日に発行しています。
洛和会ヘルスケアシステムの各施設の入り口にラックを設置し、自由に持ち帰っていただけるようになっていますので、来院・来所された際にはぜひ手にとってご覧ください。
広報誌「おとまるクン」についてのお問い合わせは
アールプランニング  075(593)7789 まで

カテゴリー:広報誌「おとまるクン」 | 更新情報をチェックする