今年第1回となる健康教室は1月14日、洛和会丸太町病院 放射線部課長で診療放射線技師の小西 宏樹(こにし ひろき)が、さまざまな放射線検査や、マルチスライスCTやMRIなど最新の検査を解説、洛和会ヘルスケアシステムの新たな取り組みを紹介しました。
小西講師の講演要旨は次の通りです。
私たち、診療放射線技師は、30年ほど前までは、当時の資格で「レントゲン技師」と呼ばれて(今でも、そう呼ばれる方がいますが)いました。画像は、当時フィルムでしたが、今は「高精細モニター」を使ったデジタルの時代です。
デジタル画像は
- 大きくしたり、角度を測ったりすることが簡単
- 離れた場所でも、同時に多くの先生で見ることができる
- 濃度(色合い)を変えることで、見たい部分をより詳しく見ることができる
など進化しています。
放射線検査のいろいろ
- 一般撮影
胸やお腹、骨などの撮影の総称で、健康診断などでおなじみの検査です。最初の体内情報としては最適の検査で、全体が把握できます。異常が疑われれば、CTやMRI検査を受けるのが一般的です。今も昔も撮影方法は変わりませんが、アナログからデジタルに変わったメリットは大です。 - CT検査
身体にX線を照射し、データを画像化する検査です。最近はマルチスライスCTが開発され、同じ時間で広範囲で、詳細な撮影が可能になりました。また、動きのある臓器(心臓)の撮影にも威力を発揮しています。 - MRI検査
核磁気共鳴の原理によって、体の中の様子を画像化する検査で、組織コントラストの高い検査が可能です。また造影剤を使わなくても、血管の描出が可能です。ただ、検査時間が長い、大きな音がある、検査空間が狭いなどの弱点もあります。
CT・MRI検査での注意点
- CT検査
造影剤を使用する検査では腎機能が悪い方、アレルギー体質の方は検査できない場合があります。ぜひご自分から申告してください。 - MRI検査
体内に金属(心臓ペースメーカー、避妊リング、人工関節、脳動脈クリップなど)がある方や、閉所恐怖症の方は検査できない場合があります。
最新検査のあれこれ
- 洛和会ヘルスケアシステムでできる最新検査
3D−CTA[CT検査]
造影剤を使用することで、血管内の情報も簡単に抽出でき、視覚的にもどの位置に狭窄があるか、容易に判断できます。心臓CT検査[CT検査]
VSRAD(早期AD診断支援システム)[MRI検査]
脳内の萎縮の程度をMRI画像から読み取ります。 - 洛和会ヘルスケアシステムでのあらたな取り組み
PET−CT
細胞の働きから、がんを見つけ出す新しい検査法です。放射線治療
「切らないメス」といわれ、手術と同等の効果を得られています。がんの病巣だけにピンポイントでの照射が可能で、ますます効果が高まっています。