今年第3回のらくわ健康教室は1月28日、洛和会みささぎ病院リハビリテーション科部長で、医師の兼松 まどか(かねまつ まどか)が、腰痛とうまく付き合いながら、より良い生活をしてゆく“極意”について講演しました。「65歳以上では、約2割が腰痛を訴えている」と言われますが、この日来場された方の約半数が「腰痛で困っている」と訴え、“付き合い方”を、熱心に聴講していました。
兼松講師の講演要旨は次の通りです。
腰痛のうち
- はっきりした原因があるものは、その原因に対する治療を行いますが
- はっきりした原因のないものは「腰痛症」といって、治療の決め手がなく、やっかいです。
- その「腰痛症」も、急性腰痛症の大半は自然治癒しますが、2〜7%は慢性化します。
- 原因がはっきりしていても、慢性腰痛症に移行する場合があります。
さて、その慢性化した腰痛症(一部は原因に対する治療を行いますが)との上手な付き合い方をお話します。
大前提
痛みをなくすことは大変なことですが、痛みがあっても、できるだけ活動的な生活を送ることは、ある程度、工夫次第で可能です。
でも、その前に
身動きができないほど痛いとき、さらに軽減しないときなどは整形外科を受診しましょう。
上手な付き合い方
痛みは急にはなくなりません。
治療上安静が必要なとき以外は、痛みの許容範囲内で、できるだけ動きましょう。
- 足腰が弱り、ふらついて転倒しやすくなる
- 体幹の筋力が落ち、腰の支えが弱り、痛みが出やすくなる
腰の負担が少ない動作・姿勢を身につけましょう。
- 起き上がるとき
- 物を置く、取る、操作するとき
- 物を持ち上げる、拾うとき
- 掃除機をかけるとき
などでは
- ひねらない、曲げない
- 前かがみにならない
- 作業は手元でする
- 体の高さ調整は足でする
- 足の力を使う
ことに留意しましょう。
運動療法を継続的に行いましょう。
- 腹筋、お尻上げ、スクワット、股関節伸ばしなどがあります。
生活リズムをつけ、ストレス調整を行いましょう。
我慢しすぎないようにしましょう。