2011年03月10日

第43回らくわ健康教室 「肺がんで死なないために」

3月4日に開かれたらくわ健康教室は、洛和会丸太町病院 呼吸器疾患研究所所長で、医師の池田 貞雄(いけだ さだお)が、早期発見、早期治療が難しいといわれる肺がんについて講演、「肺がんで死なないためには、まずは禁煙。年に1回の市民検診を受けましょう」と訴えました。


Ikedadr 池田講師の講演要旨は次の通りです。

肺がんは、以前から「見つけにくい、治しにくい」病気で、今でも、早く、すっきり治るとは断言できません。たとえば舌のがんなら、小さくても、すぐ気が付くでしょうが、なにせ胸の中に痛みの神経がないので、見つけにくいのです。ともかく、検診を受けることが重要です。効果をめぐっていろんな意見がありますが、早期発見には有効です。

死亡者数、第1位
京都府医師会の2009年度のがん登録の統計によると、がんの死亡数の中では、男女ともに肺がんが1位です。男女比率は、男性が70%を占めます。やはり、タバコが原因ですね。女性でもヘビースモーカーが多いですね。

肺がんのできる場所
末梢(まっしょう)型
気管支の端の方にできるもので、エックス線検査で発見しやすい、手術でとりやすい、という特徴があります。
中心型
太い気管支や血管に近い所にできるもので、エックス線検査で発見しにくく、小さくても手術でとりにくいがんです。

肺がんの症状
アッ、危ない

  • 血痰が出たとき。
  • 咳(せき)がひと月以上も続くとき。

こんな時は、一度診てもらったら?

  • 声がかすれて治らない。
  • 息切れして階段がのぼれない。
  • 顔や手がむくむ。

肺がんを見つける方法は?
エックス線検査(胸部エックス線検査、胸部CT検査)
喀痰(かくたん)細胞診
気管支鏡検査
経皮針生検
胸腔(きょうくう)鏡検査
PET検査
があります。

肺がんの治療
手術
放射線治療
化学療法
を、がんの病期と種類によって選択します。

抗がん剤の種類
プラチナ製剤と分子標的治療薬があり、がん細胞を100%死滅させるのが目標ですが、なかなか完全にというのは難しいのが現状です。

肺がんで死なないために
年に1回は市民検診を受けましょう。
胸部CTを嫌がらないで。(医療エックス線被爆は心配ありません)
なにより、まず禁煙をしましょう。


ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録3

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