3月4日に開かれたらくわ健康教室は、洛和会丸太町病院 呼吸器疾患研究所所長で、医師の池田 貞雄(いけだ さだお)が、早期発見、早期治療が難しいといわれる肺がんについて講演、「肺がんで死なないためには、まずは禁煙。年に1回の市民検診を受けましょう」と訴えました。
池田講師の講演要旨は次の通りです。
肺がんは、以前から「見つけにくい、治しにくい」病気で、今でも、早く、すっきり治るとは断言できません。たとえば舌のがんなら、小さくても、すぐ気が付くでしょうが、なにせ胸の中に痛みの神経がないので、見つけにくいのです。ともかく、検診を受けることが重要です。効果をめぐっていろんな意見がありますが、早期発見には有効です。
死亡者数、第1位
京都府医師会の2009年度のがん登録の統計によると、がんの死亡数の中では、男女ともに肺がんが1位です。男女比率は、男性が70%を占めます。やはり、タバコが原因ですね。女性でもヘビースモーカーが多いですね。
肺がんのできる場所
末梢(まっしょう)型
気管支の端の方にできるもので、エックス線検査で発見しやすい、手術でとりやすい、という特徴があります。中心型
太い気管支や血管に近い所にできるもので、エックス線検査で発見しにくく、小さくても手術でとりにくいがんです。
肺がんの症状
アッ、危ない
- 血痰が出たとき。
- 咳(せき)がひと月以上も続くとき。
こんな時は、一度診てもらったら?
- 声がかすれて治らない。
- 息切れして階段がのぼれない。
- 顔や手がむくむ。
肺がんを見つける方法は?
エックス線検査(胸部エックス線検査、胸部CT検査)
喀痰(かくたん)細胞診
気管支鏡検査
経皮針生検
胸腔(きょうくう)鏡検査
PET検査
があります。
肺がんの治療
手術
放射線治療
化学療法
を、がんの病期と種類によって選択します。
抗がん剤の種類
プラチナ製剤と分子標的治療薬があり、がん細胞を100%死滅させるのが目標ですが、なかなか完全にというのは難しいのが現状です。
肺がんで死なないために
年に1回は市民検診を受けましょう。
胸部CTを嫌がらないで。(医療エックス線被爆は心配ありません)
なにより、まず禁煙をしましょう。