2011年03月11日

第44回らくわ健康教室「知って納得! アルツハイマー病のはなし」

3月11日に開かれたらくわ健康教室は、洛和会音羽病院 神経内科の医師の安藤 功一(あんどう こういち)が、アルツハイマー病の治療や予防方法について講演しました。特に関心の高いテーマとあって、皆さん熱心に聴講していました。


安藤講師の講演要旨は次の通りです。

認知症の患者は200万人とも、270万人ともいわれ、社会の急速な高齢化に伴い、20年後には、350〜450万人に達すると予想されます。その半数がアルツハイマー病と考えられ、その原因究明と治療法の開発は社会的急務となっています。

アルツハイマー病の原因P_ando
アルツハイマー病の脳は萎縮したり、脳室が拡大しています。脳内では老人斑(アミロイドベータ)が出現し、神経原線維変化や神経細胞の脱落があります。
また、家族性アルツハイマー病の原因遺伝子もあります。

アルツハイマー病の診断は?
認知症の初期症状としては、「何回も同じ事を聞く」「大切な物をなくしたり、置き忘れたりする」など、図のような症状があります。
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洛和会音羽病院神経内科には「物忘れ外来」があります。その役割は…

  1. 認知症の早期診断を行います。
  2. 認知症に対する正しい理解を促します。
  3. 適切な介護サービスを指導します。
  4. 適切な薬剤を投与します。

アルツハイマー病の診断基準

  1. 記憶障害(新しいことが覚えられない)。
  2. 失語、失行(物の使い方がわからない)、失認(道に迷いやすい)、遂行機能障害(料理、買い物がうまくできない)のうち1つ、またはそれ以上がある。
  3. 社会的または職業上、支障がある。
  4. 認知症を呈する疾患は正常圧水頭症や甲状腺機能低下症など数多く、それらを除外できる。

アルツハイマー病になってしまったら?

症状が進むので、いかに遅らせるかが重要です。

薬は、今日現在、国内では一種類ですが、今月中旬から夏にかけて、数種類認可される予定です。

さまざまな介護サービスがあります。
病気を理解して、じっくり介護しましょう。
家族の暮らしあっての介護です。1人で抱え込まず、多くの人で支え合いましょう。

アルツハイマー病にならないためには?

生活習慣の改善をしましょう。
高血圧、糖尿病などを早期に治療し、タバコや過度の飲酒などの危険因子を廃し、バランスの良い食事や運動、趣味などの予防因子で防ぎましょう。

楽しいと感じることが大切です。

  1. 散歩などで、足腰を鍛えましょう。
  2. 昼寝は短め(30分以内)にしましょう。
  3. 食事に気をつけましょう。
  4. 家族の中で、役割をもちましょう。
  5. 会話をしましょう。おおいに笑いましょう。
  6. 脳を鍛える趣味をもちましょう。

お問い合わせ
洛和会音羽病院神経内科
075(593)4111(代)
神経内科外来:月〜金曜日

ご予約
洛和会音羽病院 予約センター
0120(489)300


ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録3

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