2011年06月17日

第55回らくわ健康教室「よく眠るための眠れない話 〜人体の歴史にも触れて〜」

6月10日に開かれたらくわ健康教室では、洛和会音羽病院 副院長で、洛和会京都医学教育センター 所長の、酒見 英太(さけみ ひでた) 医師が、「不眠」とその解決法について講演しました。酒見講師は、「人類は誕生以来、夜明けとともに目覚め、日暮れとともに眠りについていた」と人類の歴史から説き起こし、「わずか50年ばかりの間に、夜更かしと運動不足になった」と、現代人の不眠の基本的な原因を説明。「安易に薬物やアルコールに頼らず、日光とともに行動し、体をもっと使うべきだ」と強調しました。


酒見講師の講演要旨は次の通りです。

P_sakemi 日本人の睡眠時間は、ほかの先進国と比べ、就寝時刻が遅いせいで短いのが特徴で、特に、受験勉強に忙しい10歳代後半と、働き盛りの30〜50歳代で顕著です。


「眠っていない」といっても・・・

  • 生活上の必要(または習慣)から、早く床につかない=単なる睡眠不足
  • 眠りたくならない=躁病などの興奮状態
  • 眠りたいし眠る時間もあるのに、十分に眠れない=不眠

があり、不眠のせいで、日中の体調がすぐれないなら「不眠症」ということになります。

不眠のタイプ

  1. 入眠障害
  2. 中途覚醒
  3. 早朝覚醒
  4. 熟眠障害

があります。

不眠になる要因

  • 明るすぎる、騒がしい、暑い、寒いなどの環境要因
  • 痛み、かゆみ、息苦しいなどの身体要因
  • 心配ごと、悩みなどの精神要因
  • タバコ、アルコール、夜更かしなどの生活習慣要因

身体要因の場合は、原因疾患に対する治療が必要なので、ぜひ受診してください。
精神要因では、うつ病である場合、最悪自殺に至る場合があるため、これも受診が必要です。

自分でできる、不眠の一般療法(非薬物療法)

 朝・日中・夕方は

  • 何時に寝つけようが、起床時刻を一定にする。
  • できる限り、多く日光を浴びる。
  • 毎日、軽く汗ばむ程度の運動をする。
  • できるだけ昼寝をしない。(するなら午後3時までに、30分以内で)
  • 夕食以降にカフェイン、タバコ、アルコールを飲まない。
  • 熱い入浴は就寝の90分前までに済ませる。寝る前なら、ぬるい風呂に。

 就寝時には

  • 環境と寝具を快適な状態にする。(耳栓、アイマスクなど)
  • 眠くなるまでは床に入らず、ソフトなBGMを聞いたり、柔らかな光の下で本を読む。
  • 空腹があれば温かく甘い飲み物を。
  • 心配事があれば、翌日に対処する計画をとにかく立てておいて、寝床では考えないようにする。
  • 就寝前のリラクゼーションや、自己暗示法(自律訓練法)を覚える。
  • アロマ、ネイチャーサウンド、抱き枕などを試してみる。
  • たとえ寝つけなくても、体は休まっていると考えて力を抜く。

などが効果的です。

寝酒は危うい
アルコールは催眠作用をもちますが、リバウンドで熟眠を妨げます。夜間尿を増加させ、アルコール依存症にもつながります。

不眠の対症療法
薬物療法はあくまで「奥の手」と考えるべし。まずは一般療法(非薬物療法)を複数同時に試してください。
薬物は、飲み続ければ必ず依存が起こり、耐性が起こることも。ましてアルコールと混ぜることは絶対しないこと。健忘や呼吸抑制、ふらつきなどを来して、極めて危険です。


他のらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録



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