2011年08月10日

第61回らくわ健康教室「小さな傷で手術が済みます 〜腹腔鏡の手術の最前線〜」

7月29日に開かれたらくわ健康教室は、洛和会音羽病院 脈管外科 部長で、医師の武田 亮二(たけだ りょうじ)が、進歩・進化している腹腔鏡手術のあれこれについて、わかりやすく講演しました。腹腔鏡手術について「傷が小さく、術後の痛みが少なく、回復も早い」などのメリットもありますが、なにより「より繊細な手術が可能」と強調しました。


武田講師の講演要旨は次のとおりです。

Drtakeda腹腔鏡手術のメリットは・・・

  • 傷が小さく、術後の痛みが少ない
  • 術後の回復が早い
  • 社会復帰が早い

 などがありますが、もっとも重要なのは「より繊細な手術が可能」ということです。

逆に、デメリットは?

  • 手術の時間がかかる
  • 難易度があがる
  • コストが高い

 などがあり、また、すべてのケースで腹腔鏡手術が可能ではありません。

 腹腔鏡手術が難しいケース

  • 開腹手術の既往がある
  • 呼吸機能が悪い
  • 出血傾向ある
  • 腸閉塞がひどい
  • 腫瘍が巨大

腹腔鏡手術の普及
腹腔鏡手術は、胆嚢摘出術から普及し、続いて、脾臓、副腎の摘出手術、虫垂の切除が可能になり、2000(平成12)年以降は大腸、胃の悪性疾患を腹腔鏡で手術するようになりました。現在では予定手術の70〜80%が腹腔鏡手術で行われています。

洛和会音羽病院 外科では・・・
腹腔鏡下胆嚢摘出術、腹腔鏡下大腸切除術、腹腔鏡下胃切除術など、毎年数百例の手術を行っており、今後は腹腔鏡下肝切除術、内視鏡下下肢静脈瘤手術や食道手術に積極的に取り組んでいきます。

大腸がんのはなし
大腸がんは比較的治療しやすいがんです。
手術を受けた後に再発することがありますが、大腸がんはほかのがん(胃、すい臓、食道のがん)とは異なり、早い時期に再発が見つかれば、再発巣の切除により、完治も期待できます。
再発の8割以上は術後3年目以内に発見されます。手術後、5年以上再発しないことが完治の目安です。

 腹腔鏡手術 大腸と胃の違い

  • 大腸がんでは、進行がんでも腹腔鏡手術がよく行われます。
  • 胃がんは、あまり進行しているがんは、従来どおり開腹手術で行われ、比較的進行していない胃がんが、腹腔鏡手術の対象になります。

  →進行の違いによるものです。

下肢静脈瘤のはなし
下肢静脈瘤の治療は、以前に比べてかなり低浸襲に可能となりました。2011(平成23)年1月に、血管内レーザー治療も保険適応になりました。洛和会音羽病院も、本年9月に導入予定です。SEPS(内視鏡下穿通枝切離術)も、本年から開始しました。
静脈性潰瘍でお困りの方は、ご来院ください。

病気との付き合い方
病気との一番いい付き合い方は?
 →予防が一番安上がりの治療法です。
      良いかかりつけ医の先生を見つけましょう。

手術が必要な病気になったら?
  →かかりつけ医の先生から、よく話を聞きましょう。
    病院に受診する時は、誰かについてもらってきたほうが良いでしょう。
    自分が飲んでいる薬ノートは持って行きましょう。


ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録

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