8月30日に開かれたらくわ健康教室は、洛和会音羽記念病院 腎臓内科 部長で、医師の鈴木 洋行(すずき ひろゆき)が、塩分の摂りすぎと、高血圧や腎臓病の関係について講演しました。鈴木講師は、「なぜ塩分の摂りすぎが高血圧や腎臓病を引き起こすか」を具体的に解説、さらに脳卒中や心臓病とも連動しているとして、摂りすぎの危険性を強調。逆に「減塩すれば、病気を減らすことができる」と訴えました。
鈴木講師の講演要旨は次のとおりです。
.塩分を摂り過ぎると、高血圧になる。
→A. はい
.この塩は何グラム?
(5g 7g 10g)
→A. 10g
簡単なクイズですが、今回の重要なテーマです。
腎臓と塩分
- 塩分(ナトリウム)は腎臓で調節している
腎臓は、私たちが摂取した塩分と同量の塩分を尿として体外に出すよう調節する、大人の握りこぶしくらいの大きさの臓器です。
ところが塩分を摂り過ぎると、尿として排出し切れず、体に残ってしまい、悪影響をあたえます。 - 塩分摂取と血圧上昇のしくみ
塩分を摂り過ぎて、体内塩分が増加すると、のどが渇き、水分を摂取して、体内水分が増加、血圧の上昇を来します。 - 1日の塩分摂取量の目安
男性:9.0g、女性:7.5g
特に、高血圧症、腎臓病の方は、6.0g未満におさえてください。
高血圧はなぜ悪い?
血圧が高いと、心臓病、脳卒中、腎臓病になる危険が高まります。
血圧が高くなくても、減塩のほか、ストレスに注意することが大切です。
また、減塩は若いころから始めた方がより効果的です。
塩分が多いと・・・
- 血圧が正常でも、腎臓病が悪化します。
- 狭心症・心筋梗塞の危険は1.5倍に。
- そのほか、尿路結石、骨粗しょう症、胃がん、ぜんそくなども発症しやすくなります。
減塩を行うための工夫
減塩すれば、必ず結果はついてきます!=減塩は命を救います!
【 内食の場合 】
- 塩、味噌、しょうゆ、ケチャップ、ソースなどの調味料の使用は少なめに。
- 加工されていない食材(野菜、肉、魚)を使用する。
※加工食品の塩分量は、侮れません。
塩ます1切れ(80g)で、4.6g、焼きちくわ1本(100g)2.4gもあります。 - 酸味(レモン、酢など)や香辛料(ハーブ、スパイスなど)、だしなどを塩味の代わりにする。
- 調味料は計量して使用する。
- 食べる総量をほどほどに。
【 外食の場合 】
- 外食は、塩分の多い食べ物が多いので、控えめにしましょう。
- どんぶりものは、食べ残すことが難しいので、注意しましょう。
- 汁物はすべて飲み切らないようにしましょう。
- ソース、しょうゆ、マヨネーズは直接料理にかけず、小皿にとって少量だけにしましょう。