2012年03月12日

第87回らくわ健康教室 腎臓病特集

2月24日に開かれたらくわ健康教室は、腎臓病特集として、洛和会音羽記念病院 腎臓内科 部長で、医師の鈴木 洋行(すずき ひろゆき)が「かかりつけ医で腎臓病治療 〜病診連携で腎臓を守ろう〜」、同病院 創傷治癒センター 部長で、医師の松原 邦彦(まつばら くにひこ)が「あなたの足が危ない 〜腎不全と壊疽(えそ)の危険な関係〜」というテーマで、それぞれ講演しました。


かかりつけ医で腎臓病治療 〜病診連携で腎臓を守ろう〜

鈴木講師の講演要旨は次のとおりです。

腎臓の働き2okimg_16272
腎臓には、

 1.尿を作る
 2.血圧を調整する
 3.血液をつくる働きを助ける
 4.体内環境を一定のバランスに保つ

などの働きがあります。
腎臓が悪くなると、これらの働きができなくなります。慢性腎臓病にならないよう、また、なってしまった人は悪化しないようにすることが大切です。

慢性腎臓病とは
腎臓に障害があり、尿異常(尿たんぱく、尿潜血)、血液異常(クレアチニンが高い)などの症状があらわれる病気で、わが国の新たな国民病となっています。

血液透析の前触れ
最初は尿異常だけですが、放っておくと、腎臓の働きが低下して、末期腎不全に進行します。つまり、慢性腎臓病は、透析を要する腎不全の予備軍なのです。日本はいまや、約30万人もの透析患者のいる、世界有数の透析大国です。

腎臓以外の臓器障害
たんぱく尿は、全身の血管障害の兆候です。腎臓病の人、特に女性は、心血管病に注意が必要です。「心腎連関」といって、心臓と腎臓のどちらかが悪くなると、もう一方も悪くなります。

慢性腎臓病患者に多い病気

  • 脳卒中
  • 心臓病
  • 足の壊疽

病診連携とは
 院と療所(皆さんのかかりつけ医)の連携のことです

  1. いつもの先生に診察をしていただいて、さらに腎臓も診てもらいましょう。
  2. そして、腎臓病と関連する症状があった場合や、高血圧、肥満の人、家族に腎臓病の人がいる場合は、病院の腎臓内科を受診してください。
  3. 診療所と病院で、検査結果などの情報を共有し、私たち病院は治療法を提示します。

 この連携によって期待できること

  • かかりつけ医にかかりながら、腎臓病の治療ができる。
  • 同じ検査や薬の重複がない
  • 心臓病、脳卒中、壊疽などの病気を早くから予防できる。
  • 腎臓病の進行を遅らせたり、治癒させることができます。

 洛和会音羽記念病院では、病診連携の普及に取り組んでいます


あなたの足が危ない 〜腎不全と壊疽(えそ)の危険な関係〜

松原講師の講演要旨は次のとおりです。

2okimg_16452創傷治癒センターについて
足の治りにくい傷や壊疽などで困っている方が増えています。そのような患者さまを、洛和会ヘルスケアシステムの多くの専門家が協力して治療しようと、創傷治癒センターが設立されました。
外来は、洛和会音羽病院で、月曜日の午後と木曜日の午前に行っています。紹介患者さまのみの、完全予約制です。

壊疽とは
主に虚血により、足などが局所的に壊死(えし)してしまい、その部分が腐敗し、黒く変色したり、溶けたりしたような状態。

 →原因は動脈硬化症糖尿病

動脈硬化症
動脈硬化症は腎不全の原因であるとともに、腎不全が進行することにより、動脈硬化症も悪化します。
特に透析患者さまは、普通の動脈硬化症とは異なり、膝より下の細い血管がカルシウムの沈着によって細くなるタイプの動脈硬化症が発症することがあります。

末梢動脈の障害
膝より下の細い血管は、血流が低下しても検査で異常が出にくいため、発見が遅れることもあります。また、血管が細いため、カテーテルで広げるのも簡単ではありません。
足は、心臓から遠いところにあるため、むくみやすく、歩行による負荷もあり、傷ができると治りにくい部位です。

これに糖尿病が加わると、さらに危険です
糖尿病になると、

  • 血流が悪くなる(動脈硬化症)
  • 神経が鈍くなる(神経障害)
  • ばい菌に弱くなる(免疫低下)

などの症状があらわれます。
糖尿病による神経障害から足が変形すると、そこから傷ができやすくなります。足の指が曲がったままになってしまう「クロートゥ変形」や、土踏まずから足首にかけての関節がつぶれて、土踏まずがなくなってしまう「シャルコー足」が有名です。
さらに感染症が加わると、足の切断や、命に関わる事態になります。

靴選びの誤解

  • 幅の広い靴が良い
  • やわらかい靴が良い
  • ひもを緩めた方が良い
  • 家では健康サンダルが良い

  ↑ これらは全て間違いです

デリケートな足を保護するためには、足に合った履き物が必要です。足の変形を防ぐためには、あまりやわらかすぎる靴・大きすぎる靴ではいけませんし、靴の中で足がずれるのも傷の原因となります。
また、健康サンダルは「健康な人のためのサンダル」だと考えましょう。足の傷が心配な人には、刺激が強すぎます。

創傷治癒センターでは、患者さまに適切な装具(靴、中敷きなど)を提供するために、装具外来を併設しています。


ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録



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