2012年07月27日

第103回らくわ健康教室「鼻副鼻腔炎(蓄膿症)の診断と治療」

6月13日に開催のらくわ健康教室は、洛和会音羽病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 部長で医師の荒木 倫利(あらき みちとし)が、鼻副鼻腔炎の診断と治療について講演しました。荒木講師は様々な症状とその治療方法、さらに手術について、わかりやすくていねいに説明。その中で手術後すぐに治るものではないため、日常のケアと受診が大切である点を強調していました。


荒木講師の講演要旨は以下の通りです。

P_lecturer_2

鼻副鼻腔炎(蓄膿症)とは?
多くの場合は感染をきっかけにして、鼻副鼻腔の粘膜の働きが悪くなり発症します。その結果、自浄作用が低下し副鼻腔の炎症が起こります。
罹病期間によって、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分類されます。また、アレルギー性鼻炎や花粉症の時期に合併して起こることがあります。

副鼻腔炎の代表的症状

  • 鼻閉…………鼻がつまります。
  • 鼻漏…………ねばねばした鼻みずが出ます。
  • 後鼻漏………ねばねばした鼻みずがのどに落ちます。
  • 頭痛、頭重 …頭が痛みます。
  • 頬部痛………頬の圧迫感や痛みが起きます。
  • 発熱…………熱が出ることもあります。
  • その他………鼻の中の異臭、嗅覚障害など。 

副鼻腔炎の診断と局所治療

診断
問診
 症状と経過の整理 
鼻の中を見ること
 一目瞭然
  ・鼻鏡
  ・内視鏡
画像診断
 必要な場合活用
  ・レントゲン=白い影が写ります。
  ・CT=細部まで病変がわかります。

治療
掃除をする
 ・鼻処置
 ・ネブライザー(霧に乗せ薬を送る)
 ・鼻洗浄
※鼻洗浄には体液の浸透圧と同じ生理食塩水(0.9%)を使用します。水道水は浸透圧が低いため、粘膜の機能を障害し、鼻や耳の奥が痛くなったり、中耳炎の原因となる場合もあります。
飲み薬
 ・抗菌薬
 ・粘液調整役
 ・副腎皮質ステロイド
手術をする
 ・内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS=Endoscopic Sinus Surgery)
    (高度の慢性副鼻腔炎に対して、広範囲を内視鏡を用いて手術) 
※急性、慢性とも「薬物療法」を行っています。
※小児の副鼻腔炎は、成人に比べ自然治癒しやすいという特徴があります。手術は最小限にとどめるなど、鼻副鼻腔の発育に支障を与えないよう注意が必要です。

おわりに
手術をした場合、粘膜の回復には時間がかかるため、手術後すぐに症状が良くなるわけではありません。手術直後は悪化したように感じる場合もあります。粘膜の機能回復には最も短期間で3カ月程度、長ければ1年以上かかります。
頻回の通院は不要ですが、日常のケアをしていただきながら月1回程度の受診時に経過を見せていただくことが大切です。


ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録

カテゴリー:らくわ健康教室 | 更新情報をチェックする