2013年09月10日

第152回らくわ健康教室「耳からのめまい 〜めまいの種類と症状〜」

6月28日開催の第152回らくわ健康教室は、「耳からのめまい 〜めまいの種類と症状〜」と題して、洛和会音羽病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 医員で医師の松村 麗(まつむら れい)が講演しました。


概要は以下のとおりです。

P_lectureはじめに

めまいは、目が回るようなくらくらするような感覚の総称です。実際には、自分あるいは周囲が動いていないにも関わらず、動いているように感じる現象のことです。
めまいには、目がぐるぐるまわる「回転性めまい」、体がフワフワする「浮遊性めまい」、クラッとする「立ちくらみのような症状のめまい(目の前が暗くなったり、失神を伴う場合もあります)」の3種類があります。

たくさんあるめまいを伴う疾患

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ある大学病院の調査では、めまい外来を受診される患者さまの疾患の内訳は、末梢(まっしょう)性めまいが54%と半数を占めており、中枢性めまいは8%と全体の1割程度です。原因不明のめまい症が2番目に多く、36%でした。

めまいに伴う症状

末梢性めまい(耳からくるめまい)

  • 吐き気、嘔吐(おうと):
    めまい発作期に、吐き気、嘔吐、冷汗、動悸(どうき)などの自律神経症状がよくみられます。
  • 難聴、耳鳴り、耳閉塞感:
    突発性難聴やメニエル病などが疑われます。

中枢性めまい(脳からくるめまい)

  • 頭痛、頭重感(ずおもかん):
    激しい頭痛を伴う場合は小脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害が疑われます。
  • 神経障害:
    顔や口のしびれ、手足や指のしびれ、筋力低下、ろれつが回らないなどの構音障害、意識障害などを伴う場合は、脳血管障害が疑われます。

耳が原因の代表的なめまい疾患

 

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病態:内耳の前庭という場所にある耳石がはがれ、体のバランスを保つ器官である三半規管に入り込んで、めまいを起こします。

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治療方法には、利尿剤、抗めまい薬、ビタミン剤、ステロイド薬(聴力障害が強いとき)、手術(内リンパ嚢解放術など)などがあります。

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治療方法には、ステロイド治療、循環改善薬、ビタミン剤、高圧酸素療法などがあります。

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病態:体のバランスを伝える前庭神経に炎症が起こり、めまいが発症します。ウイルス感染や、血液の循環障害が原因で炎症が起こるのではないかといわれています。

 

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経過観察をすることがほとんどです。手術に至るケースはまれで、手術より放射線治療の方がより多く選択されます。

 

 

めまいの検査

  • 問診
  • 眼振検査:「Frenzel眼鏡」という特殊な眼鏡を装着して眼振を診ます。
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  • 聴力検査:耳の聞こえを調べる方法です。
  • 画像検査:頭部MRI検査やCT検査を行います。

急性期めまいの対応

  • 原則は安静。静かな部屋で安静にする。
  • 体は動かさず、楽な姿勢をとる。
  • 下着や衣類はゆるめて横になる。
  • 目の前の動くものは見ない。
  • 振動、動揺を与えない。

その後、病院を受診してください。

めまい慢性期の対応

  • 適度な運動を行う。(安静は逆に改善の妨げとなります)
  • 急に体を動かさない。(転倒の原因となります)
  • バランスの取れた規則正しい食事を取る。
  • ストレスをできる限り避ける。
  • 十分な睡眠を取る。
  • 大きな音を聞かない。
  • カフェインの摂取を避ける。
  • 過度の飲酒、喫煙は避ける。

平衡訓練をしましょう

  1. 親指を立てた両腕を広げ、顔は動かさずに左右の親指を交互に見る。
  2. 親指を立てた両腕を上下に広げ、同じ要領で交互に見る。
  3. 左手で顔を押さえ、親指を立てた右腕を左右にゆっくり動かし、目で追う。
  4. 左手で顔を押さえ、親指を立てた右腕を上下にゆっくり動かし、目で追う。
  5. 親指を立てた右腕を前に突き出し、親指を正視したまま頭を左右に30度ずつ回す。
  6. 親指を立てた右腕を前に突き出し、親指を正視したまま頭を30度ずつ上下する。
  7. 指を立てた右腕を前に突き出し、親指を正視したまま首を左右に傾ける。

おわりに

めまいを軽減する方法は、以上のようにさまざまなものがありますが、どのような対策を取るにせよ、規則正しい生活をするのが一番です。

質疑応答から

Q:良性発作性頭位めまい症と診断され、薬を3種類飲んでいます。症状に関係なく飲み続けるべきなのでしょうか?
A:症状が落ち着いてくれば、薬は減らせます。主治医と相談して、徐々に減らしていけると思います。
Q:耳鳴りもするのですが
A:耳鳴りは原因不明のものも多く、治療も困難ですが、発症して10日以内に治療を受ければ治ることもあります。症状が出たら、様子を見ずに、なるべく早く耳鼻科医を受診してください。


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