2015年02月24日

第207回らくわ健康教室【介護版】「安心して退院できるように 〜医療相談員のしごとと新病院移転のお知らせ〜」

2014年9月4日開催のらくわ健康教室では、「安心して退院できるように 〜医療相談員のしごとと新病院移転のお知らせ〜」と題して、洛和会みささぎ病院 医療介護サービスセンター 係長で社会福祉士の伊達 豊(だて ゆたか)が講演しました。


概要は以下のとおりです。
2264.jpgはじめに
「医療相談員」という言葉には、なじみがない方も多いのではないでしょうか。医療相談員は病院のスタッフで、入院患者さまやご家族に、安心して退院していただくためのお役に立てるしごとです。本日は、そんな医療相談員の仕事についてお話しします。


医療相談員(医療ソーシャルワーカー)とは
医療相談員とは、「保健医療機関において、社会福祉の立場から患者さまやそのご家族が抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行う」職員のことです(医療ソーシャルワーカー業務指針より)。医療機関によって、「相談員」「MSW(メディカル・ソーシャル・ワーカー)」「ソーシャルワーカー」など、さまざまな呼ばれ方をしています。
洛和会ヘルスケアシステムでは、患者さまの入院時から、担当の医療相談員が付いて、支援に当たります。

※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
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ケアマネジャーとの違い
ケアマネジャーは、介護保険分野での専門職です。医療相談員は、介護だけでなく、社会福祉全般を対象にしています。高齢者、身体障がい者、精神障がい者、知的障がい者、児童など、それぞれの人が抱える介護・人権・療養・生活・経済・心理などのさまざまな問題を対象としています。

洛和会ヘルスケアシステムの医療相談員
当会には、現在約20人の医療相談員がいます。全員が社会福祉士の国家資格をもつ専門職です。急性期病院である洛和会丸太町病院洛和会音羽病院と、私の勤務する洛和会みささぎ病院(慢性期病院)など、各病院で働いています。

以下は、洛和会みささぎ病院の医療相談員の仕事内容です。ちなみに洛和会みささぎ病院は、医療的な管理が必要な慢性期の患者さまにリハビリテーション(以下、リハビリ)を行うなど、在宅復帰や転院に向けた治療や訓練を行っています。
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回復期リハビリテーション
洛和会みささぎ病院は、2015(平成27)年4月に新築移転し、洛和会音羽リハビリテーション病院となります。設備やリハビリのための環境も新しくなり、回復期リハビリにこれまで以上に力を入れる病院となります。

回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟とは、脳卒中や大腿骨頸部骨折などの疾患やけがによる急性期治療を終えてから、寝たきりの防止や家庭復帰を目的とした集中的なリハビリを行う病棟です。早期にリハビリを開始するほど、効果は高くなります。対象疾患は以下のとおりです。
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相談援助
社会福祉士の資格をもつ専門職が、入院中に生じる諸問題についてご相談に応じます。入院時から、患者さま一人ひとりに医療相談員が付き、担当させていただくことになります。
病気で入院された患者さまの不安やご希望をお聞きしながら、各種社会資源を活用し、院内の他職種だけでなく、院外のサービス機関、関係職種(ケアマネジャーなど)とも連携を図り、スムーズに在宅復帰できるよう支援していきます。

チームで行うリハビリと支援
医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療相談員などがチームで関わり、一人ひとりの患者さまの身体状況や生活環境に合わせたプログラムを作成し、リハビリを行います。理学療法士は主に歩行の、作業療法士は生活動作の、言語聴覚士は食べる機能や発声のためのリハビリにあたります。
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支援の例:Aさんの場合
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ご自宅に退院するために家

病院でのリハビリの結果Aさんは、屋内では伝い歩きができるまでに回復しましたが、一人で外出するには危険なレベルでした。
退院後のAさんの不安と生活の課題をご本人と支援スタッフで抽出した結果、

  • 一人でお風呂に入るのは怖い・不安
  • トイレ使用時の立ち上がりが心配
  • 玄関の上がりかまちが高い
  • 買い物ができるかが不安 

ということがわかりました。それを受けて、具体的に行った支援が以下のとおりです。

具体的に行った支援ひらめき

  • 入院中に介護保険を申請
    ⇒要介護1の認定がおりる。
  • 家屋評価
    …ご本人、当院スタッフ(リハビリ、医療相談員)、在宅サービス担当者(ケアマネジャーなど)がご自宅を訪問。実際に必要な生活動作を行い評価。
  • 入浴については、転倒してしまうリスクが高い。
    ⇒週2回デイケアを利用し、入浴とリハビリをすることにした。
  • トイレの立ち上がりが心配。家屋評価時でも不安定だった。
    ⇒福祉用具担当者にトイレ用の手すりを設置してもらうことにした。
  • 玄関の上がりかまちが高い。
    ⇒段差を低くして、手すりを付ければ安全に移動できそうだったので、福祉用具担当者に上がりかまち用の福祉用具(段差を低くすることができ、手すりのついているもの)を設置してもらった。
  • 買い物が一人でできるか心配。
    ⇒ヘルパーと一緒に買い物にいくことにした。

おわりに
医療相談員は、患者さまの必要に応じて、入院から退院、退院後も必要な医療・介護が継続でき、住み慣れた地域で安心して生活が送れるよう、支援してまいります。何でもお気軽にご相談ください。


質疑応答から
病院で回復期リハビリを受け、退院した後、自宅で引き続き病院からの訪問看護やリハビリを受けられますか?
病院のスタッフがそのままご自宅に伺うことはありませんが、ご希望に応じてサービス担当者や開業医の先生を紹介させていただきます。手配や調整は、病院で患者さまを担当した医療相談員が行います。

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