2015年02月23日

第209回らくわ健康教室「痛みの話 ペインクリニックって知ってますか?」

2014年9月18日開催のらくわ健康教室は、「痛みの話 ペインクリニックって知ってますか?」と題して、洛和会丸太町病院 麻酔科 医員で医師の深澤 圭太(ふかざわ けいた)が講演しました。


概要は以下のとおりです。

ブログ用IMG_1410.jpgはじめに

ペインクリニックをご存じですか? 洛和会丸太町病院では、2014(平成26)年1月から週2回、ペインクリニック外来を行っています。
本日は、「痛みは我慢したほうが良いのか」「どういう痛みならペインクリニックにかかったほうが良いか」などについてお話しします。

痛くなったらどうしますか?

腰が痛い、肩が痛くて腕が上がらない、階段を上がると膝が痛くて困る、片頭痛がよく起こる、テニス肘、ゴルフ肘、歩くとだんだん股関節が痛くなる…など、体のどこかに痛みがある人はたくさんいます。
そんなとき、どうしますか? 我慢する、痛み止めの薬を飲む、整形外科に通う、整体を受ける、鍼灸(しんきゅう)に行く、ペインクリニックにかかる…と、さまざまな選択肢があると思います。それぞれ役割が違うので、どの選択肢が正しいということは決められませんが、ペインクリニックでは、次のように考えて対処します。

痛みは我慢したほうが良いですか?

痛み=危険信号です。例えば、たき火に足を近づけて、熱い(痛い)と感じれば、足を引っ込めますね。痛みの感覚は普通、足の神経→脊髄→脳へと伝わりますが、この場合は、脳から危険回避の指令が下る前に、脊髄からの指令で足の血管を収縮させ、危険を避ける「反射」反応が起き、体を守ります。
しかし、反射が起こり続けると、血管の収縮が続いて血の巡りが悪くなります。血がたまることによる新しい痛みが起き、それが血の巡りを悪くし…という悪循環が起きます。さらに神経自体が構造を変え、余計なところに枝を伸ばして交感神経を刺激すると、痛みを感じるようになり、寒い日や台風の日などに痛みを感じたりします。
痛みは放っておくと、悪くなります! 痛みの悪循環を防ぐことが大切です。

※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

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痛みがさらに広がった状態が慢性疼(とう)痛です。

我慢できない痛み

痛みのなかには、すぐ救急車で病院に行く必要のある痛みがあります。

  • 胸が急に締め付けられるような痛み:
    狭心症や心筋梗塞、大動脈破裂などの恐れがあります。
  • 頭が痛くて意識を失った:
    クモ膜下出血などの恐れがあります。
  • おなかがものすごく痛い:
    急性腹症や虫垂炎、腸穿孔、イレウス、急性膵炎などの恐れがあります。

次のような痛みは我慢したほうが良いですか?

先に述べた、腰が痛い、肩が痛くて腕が上がらない、階段を上がると膝が痛くて困る、片頭痛がよく起こる、テニス肘、ゴルフ肘、歩くとだんだん股関節が痛くなる…などの痛みは、すぐ受診しないと危険な痛みではありません。しかし、我慢せずにペインクリニックを受診してください。

こんな痛みは慢性疼痛です

  • 原因となる疾患が治った後も、長期にわたり痛みだけが継続する場合。
  • 原因となる疾患が治癒困難であり、長期間痛みが持続する場合。
  • 痛みが治らないことが、心理的・社会的ストレスとなり、抑うつ状態となる。
  • 心因性疼痛が加わり、治療が複雑になる。

ペインクリニックって知ってますか?

ペインクリニックは、痛みの総合診療科です。痛みの原因診断から治療まで行います。整形外科、神経内科、心療内科などと連携しています。痛みがあるのに我慢していて、適切な治療を受けておられない患者さまは、多くおられます。迷ったら、ペインクリニックを受診してください。必要なら、ほかの診療科の紹介をしますし、痛みの原因が分からなければ、薬による対症療法で痛みを抑える措置をとります。

足腰の痛み

  • 足の筋力が急に落ちてきた。
  • 便意・尿意が分からない。

⇒整形外科を紹介します。緊急手術の適応となります。

  • 歩いていると足が痛くなって、しばらく休むとまた歩けるようになる。
  • 足の裏に何かが張り付いているような感じがする。
  • 腰を曲げた瞬間、右足に電気が走るような痛みを感じる。

⇒緊急手術するほどの症状ではないですが、治療を受けたほうが良いでしょう。

手術以外の治療法には、薬物治療や神経ブロック治療があります。

  • 痛みに対するお薬:
    ロキソニン、ボルタレンなどがあります。なかには胃潰瘍を起こす恐れがある薬もありますので、そういう薬は避けています。湿布を貼るのも良い治療法です。
  • 神経ブロック治療

神経ブロック治療とは?

痛みを伝える神経や、自律神経(交感神経)、運動神経の働きを抑える(神経を遮断する)ことで痛みを軽減する治療法です。

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神経ブロック治療は、外来で注射をしたり、超音波や透視(エックス線)を使って行います。ほとんどのブロックは非常に細い針(25G針)を使って行います。チクッとした痛みはありますが、思ったほどではなかったと感じる人も多いです。

神経ブロック治療以外の治療法は?

  • 内服治療:神経痛には神経痛の鎮痛薬を使います。
  • 光線治療:レーザーを用いた、痛みのない治療法です。
  • 運動療法:腰痛には効果があります。

ペインクリニックの対象となる痛みは?

頭痛、顔面痛(三叉(さんさ)神経痛)、首の痛み、肩の痛み(肩こり、四十肩)、肘関節の痛み、肋間(ろっかん)神経痛、腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄(さく)症、変形性腰椎(ようつい)症、股関節の痛み、足の痛み(坐骨神経痛など)、膝の痛み、帯状疱疹痛、帯状疱疹後神経痛、手足のしびれ、手術の後の痛み、がんによる痛みなどがあります。

以上のように、ペインクリニックはあらゆる痛みや神経痛を対象にしています。心当たりがある方は、一度ペインクリニックでご相談ください。


ほかのらくわ健康教室の記事はこちら⇒らくわ健康教室 講演録3



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