概要は以下のとおりです。
■ 転倒
「高齢者が転んで立てなくなった」という119番通報や救急受診の場合、医療者がまず疑うのは「大腿骨頸部骨折」です。この骨折のおよそ9割が、転倒をきっかけに発生しています。具体的な症状は以下のとおりです。
★ こんなときどうしたらいいの?
まずは、どんな状態かを聞きましょう。「動けますか? どこか痛いところがありますか?」
⇒ 大腿骨骨折を疑ったら、すぐに救急車を呼びましょう。
⇒ 救急車が来るまで、状態を注意深く観察します。
出血性ショックには注意が必要です。
骨折すると体内に出血が起こって「ショック状態」になることがあり、命が危険にさらされます。特に大腿骨骨折は要注意。状態を注意深く観察します。
「顔色が真っ青(顔面蒼白)」「冷や汗をかく」「ぐったりし、ぼんやりしている(虚脱)」「脈が速く弱くなる(微弱な速脈)」「呼吸が遠くなる(呼吸遠迫)」などが危険信号です。血液をさらさらにする薬(抗凝固剤)を飲んでいる方は、出血すると普通の人の倍も血が出ることがありますので、より注意してください。
骨折すると体内に出血が起こって「ショック状態」になることがあり、命が危険にさらされます。特に大腿骨骨折は要注意。状態を注意深く観察します。
「顔色が真っ青(顔面蒼白)」「冷や汗をかく」「ぐったりし、ぼんやりしている(虚脱)」「脈が速く弱くなる(微弱な速脈)」「呼吸が遠くなる(呼吸遠迫)」などが危険信号です。血液をさらさらにする薬(抗凝固剤)を飲んでいる方は、出血すると普通の人の倍も血が出ることがありますので、より注意してください。
■ やけど(熱傷)
やけどの応急手当は以下のとおりです。
<冷やすことの効果>
やけどの深さが進行するのを止めることができます。また、やけどの跡が残りにくくなります。やけどの痛みに対しても効果があります。
<水ぶくれ(水泡)>
水ぶくれができるのはII度熱傷(やけどの深さのレベル)の場合です。水ぶくれは、やけどの傷口を保護する役割があるので、破れないよう気を付けます。水ぶくれが裂けてしまった場合は、病院での診察を受けましょう。
★ やけどが深い場合
やけどがさらに深い場合は、すぐに冷やして医療機関を受診し、処置してもらいましょう。最も深いIII度熱傷は、水ぶくれができずに、皮膚が白くなったり、黒く焦げたりしていて、痛みも感じなくなっています。手術が必要な場合もあるので、痛みがなかったり、軽傷に見えても、病院を受診することをお勧めします。各部の応急処置は以下のとおりです。


<冷やす時の注意点>
氷や氷のうを直接患部に当てると、皮膚が冷えすぎて、凍傷を起こすことがあるので注意します。全身を冷たい水で冷やすと、低温症になる場合があるので、体温が下がりすぎないよう様子を見ながら行います。
★ その知識、大丈夫ですか?
- 自身で判断して薬品を塗ってはいけません!
悪化することがあります。
- 川や井戸水、用水路にはつけない!
感染症の恐れがあります。
- 水ぶくれはつぶしたり、破ったりしない!
感染症の恐れがあります。また、痕が残ります。
- 氷を直接、長時間当てない!
冷やしすぎは凍傷を起こす恐れがあります。使う時には、タオルなどに包んで、長時間あてないこと。
- ジャガイモやアロエなどの使用は?
ジャガイモやアロエ、みそを塗るという治療は、以後の治療の妨げになるので避けましょう。
■ 窒息
気道内に異物が詰まり、窒息することがあります。

「指でかき出す」
異物が口の中やのどにたまって、外から見えている場合にこの方法を用います。正面に立ち、義歯がある場合は外し、ガーゼやハンカチを巻いた指を用いて異物をかき出します。
そのほかの方法は以下のとおりです。


★ 異物を除去する応急手当
まずは咳をさせます。それでもだめなら、「指でかき出す」「背部叩打」「腹部圧迫法」「胸部突き上げ法」があります。「指でかき出す」
異物が口の中やのどにたまって、外から見えている場合にこの方法を用います。正面に立ち、義歯がある場合は外し、ガーゼやハンカチを巻いた指を用いて異物をかき出します。
そのほかの方法は以下のとおりです。


★ 重篤な場合
- 意識がない場合
早めに救急車を要請しましょう。電気掃除機を用いた異物除去の報告もあります。意識がなく、脈が触れなければ、心肺蘇生法を行います。 - 救急車が来るまで
胸骨圧迫(心臓マッサージ)を救急隊が来るまで続けます(1分間に80〜100回の速さで)。人工呼吸は、吐物・出血で感染する恐れがあるため注意しながら行います。胸を押すほうが優先です。周囲の人にも協力を仰いで、AEDも活用しましょう。
■ 実際にあったお話
⇒ 慌てて娘に電話をしようとするが、仕事場の連絡先を調べるのに時間がかかり3分経過。
⇒ 娘に電話がつながった。
⇒ 「お父さんの意識がない、どうしよう」。娘がすぐ行くからと話した。
⇒ 15分後に娘が到着し救急車を要請。
⇒ 5分後救急隊が到着したが、既に心肺停止状態。
⇒ 病院へ急行し30分蘇生措置が行われた、効果なく死亡が確認される。
心臓が止まったら3分で脳細胞は死んでしまいます。
■ 実際にあったお話
⇒ 救急車を呼ぼうと110番…警察につながり119番に掛け直すように言われた。
⇒ 119番につながったが、「お父さんが、お父さんが…早く来て」と連呼し、パニック状態。
⇒ 8分後救急車が到着したが、家のカギが掛っていて入れない。
⇒ 管理人に開けてもらって救急隊到着。すでに15分経過。
⇒ 救急隊が救命処置を行ったが、回復しなかった。
■ 実際にあった理想の対応
朝になって妻が起きてこなくて見に行くと意識がなかった!⇒ 夫が119番に連絡して心臓マッサージを施行。
⇒ 5分後に救急隊が到着して心停止を確認し、電気ショック施行。
⇒ 車内で心臓が動き出した。病院に到着したころには、呼び掛けに反応した。
⇒ 1カ月の入院加療後、普通の生活に戻る。
■ 急変事の対応
- 意識がないなら
119番通報を!
- 息をしてないなら
心臓マッサージを!




