概要は以下のとおりです。
◆はじめに
介護保険制度が2015(平成27)年4月から改正されました。今回はその説明をした後、サービス付き高齢者向け住宅(サ・高・住)や介護付有料老人ホームなどについて費用も含めてお話しします。
◆介護保険制度の改正
介護保険制度の主な改正点は以下のとおりです。
- 特別養護老人ホーム(特養)の入居要件を「要介護3以上」に限定する:2015年4月から
(やむを得ない事情がある場合は例外も認める) - 高所得者の負担が重くなる:2015年8月から
(年金収入だけの場合、年収が単身で280万円以上、夫婦で346万円以上ある場合は、介護保険の自己負担が現行1割から2割に引き上げられます。現役並みの所得がある場合は、高額介護サービス費の自己負担の上限額が引き上げられます。) - 低所得者は負担が軽くなる:2015年4月から
(市町村民税が非課税の場合は、介護保険料の軽減幅が拡大されます) - 軽介護者は地域支援事業に移行する:2015年8月から
(要支援1・2の予防給付のうち、訪問介護、通所介護は市町村が取り組む地域支援事業に移行されます)
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
<注>右端の「支給限度額」は実費で、利用者の負担はこの1〜2割となります。
◆サ・高・住とは
国が進める高齢者のための住宅には、かつて、高専賃、高優賃、高円賃…などと呼ばれた住宅がありましたが、利用者の方にとって分かりにくかったため、「高齢者住まい法」の施行を受け、2011年10月20日からサービス付き高齢者向け住宅(サ・高・住)に一本化されました。
サ・高・住には、規模や設備、サービスなどに一定の基準があります。
サ・高・住に入居できるのは、60歳以上の方、もしくは60歳未満で要支援または要介護認定を受けている方です。人工透析や胃ろう、インスリン、在宅酸素使用、ストーマ、ターミナルケアを受けておられる方も入居できます。詳細は各施設にご相談ください。
◆洛和ホームライフ
当会には現在、3つのサ・高・住があります。各施設とも、介護職員初任者研修課程修了者(旧ヘルパー2級)や介護福祉士などの資格を持った職員が常駐して、安否確認や生活相談サービス、食事の提供などを行っています。サ・高・住のイメージは、「高齢者向けの賃貸住宅で、管理人的な職員がいる施設」と言えます。利用料金は以下のとおりです。
部屋にあらかじめ据え付けられているのは、エアコンとキッチン、クローゼットのみですので、そのほかの日用品や家具などは入居者さまの持ち込みになります。介護保険でベッドのレンタルを利用される方もおられます。
◆有料老人ホーム
有料老人ホームは、老人福祉法に規定された高齢者向けの生活施設で、高齢者が快適な日常生活を送れるよう、食事介助や入浴・排泄介助などのサービスを提供する介護施設です。要件を満たせばサ・高・住として登録できますが、登録を受けないものもあります。入居は原則65歳以上です。
有料老人ホームは「介護付」「住宅型」「健康型」の3つのタイプに大別されます。それぞれのタイプのなかでも、サービス内容の違いがあります。
- 介護付:
各都道府県より「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている介護施設です。介護サービスは施設のスタッフが提供するタイプと、外部サービス利用型、両者の混合型があります。有料老人ホームで一番数が多いタイプです。 - 住宅型:
スタッフからの介護サービスはなく、介護が必要となった場合は、外部事業者からヘルパーなどの居宅介護サービスを利用することになります。 - 健康型:
健康で自立した高齢者が入居する施設ですが、介護が必要となったり認知症になった場合、契約を解除して退去する必要があります。需要が少ないため、施設の数も少ないです。
各タイプのメリットとデメリットなどは以下のとおりです。
◆住み替えの選択肢
ご自身の希望によって、住み替えの選択肢も変わります。費用や介護度の違いが重要な判断基準になりますし、お元気なうちに、いろいろな施設を見ておかれることをお勧めします。お近くの地域包括支援センターで相談されることも良いと思います。
◆介護保険の1〜2割負担
各施設の利用料に加え、入居者さまには、介護保険サービスの利用状況によって利用料がかかります。介護保険制度の改定により、利用者さまの経済状態によって、最大2割負担になる方もおられます。介護付有料老人ホームの区分と介護支給限度額(利用者は1〜2割負担)は以下のとおりです。
◆施設選びのポイント
高齢者施設を選ばれる際は、以下のような点に留意されてお選びください。
- 基本情報:ネットや行政の情報が参考になります。
- 立地条件:ご本人の希望を重視するか、ご家族の希望を重視するか。
- 料金・費用
- 施設の設備
- 介護・医療体制:看取りができるか、その場合の対応策は、など。
- スタッフの対応
- イベント・レクリエーション:外出や行事の頻度や内容。
◆おわりに
当会では、さまざまなタイプの高齢者施設を運営しています。興味がおありの方は、洛和会入居相談センター フリーダイヤル:0120(045)507に、ご連絡ください。