7月8日開催のらくわ健康教室では、「なるほど! 介護保険」と題して、洛和会医療介護サービスセンター醍醐駅前店 主席係長 介護支援専門員(ケアマネジャー)の出路 智子(でじ ともこ)が講演しました。
概要は以下のとおりです。
◆はじめに
介護保険制度は2000(平成12)年から運用が始まりました。介護を必要とする高齢者の治療や介護などにかかる負担を、社会全体で支援するための保険制度です。15年が経過した現在、京都市における高齢人口は市民4人に1人の割合となり、要介護認定者は73,342人(2014年時点)と、制度発足時の2倍以上になっています。
◆世界の介護保険
ドイツの介護保険は、日本がモデルにした保険制度で、1995(平成7)年に施行されました。日本と決定的に異なる点は、自宅介護を行う家族に対して現金給付がなされる点です。
韓国は、日本以上に高齢化率が高い国です。対象年齢が45歳以上の老人長期療養保険法があります。介護の認定を受ける度合いが日本よりも厳しいといわれます。
アメリカは、民間による医療保険が中心です。65歳以上から加入できる公的な保険制度としてメディケアがありますが、不十分な点も多いといわれます。
◆介護保険加入と保険料
介護保険は、65歳以上の人(第1号被保険者)と、40歳〜64歳で16種類の「特定疾病」により介護が必要な人(第2号被保険者)が加入し、介護が必要になった場合に、サービスが利用できます。特定疾病には、末期がん、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、糖尿病3大疾病(糖尿病性網膜症など)、脳血管疾患などがあります。
介護保険料は、以下のように定められ、3年ごとに見直されます。
ただし、保険料を納めないでいると、滞納した期間により、いったんサービス利用料金の全額を負担する必要があったり(1年以上滞納の場合)、自己負担額が3割に跳ね上がったり(2年以上滞納の場合)します。災害や、退職、休業など、やむを得ない事情がある場合は、一定期間の保険料を免除したり減額する仕組みがあります。
介護保険料の上昇は、サービス利用者の増加が大きな原因です。市町村によって保険料に差があるのは、自治体ごとに見込み額を算出し、65歳以上の人口で割る仕組みになっているためです。保険料滞納問題では、電話や催告書などで滞納を減らす必要があります。
◆介護・介護予防サービス利用の仕方
介護保険制度は2000(平成12)年から運用が始まりました。介護を必要とする高齢者の治療や介護などにかかる負担を、社会全体で支援するための保険制度です。15年が経過した現在、京都市における高齢人口は市民4人に1人の割合となり、要介護認定者は73,342人(2014年時点)と、制度発足時の2倍以上になっています。
◆世界の介護保険
ドイツの介護保険は、日本がモデルにした保険制度で、1995(平成7)年に施行されました。日本と決定的に異なる点は、自宅介護を行う家族に対して現金給付がなされる点です。
韓国は、日本以上に高齢化率が高い国です。対象年齢が45歳以上の老人長期療養保険法があります。介護の認定を受ける度合いが日本よりも厳しいといわれます。
アメリカは、民間による医療保険が中心です。65歳以上から加入できる公的な保険制度としてメディケアがありますが、不十分な点も多いといわれます。
◆介護保険加入と保険料
介護保険は、65歳以上の人(第1号被保険者)と、40歳〜64歳で16種類の「特定疾病」により介護が必要な人(第2号被保険者)が加入し、介護が必要になった場合に、サービスが利用できます。特定疾病には、末期がん、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、糖尿病3大疾病(糖尿病性網膜症など)、脳血管疾患などがあります。
介護保険料は、以下のように定められ、3年ごとに見直されます。
ただし、保険料を納めないでいると、滞納した期間により、いったんサービス利用料金の全額を負担する必要があったり(1年以上滞納の場合)、自己負担額が3割に跳ね上がったり(2年以上滞納の場合)します。災害や、退職、休業など、やむを得ない事情がある場合は、一定期間の保険料を免除したり減額する仕組みがあります。
介護保険料の上昇は、サービス利用者の増加が大きな原因です。市町村によって保険料に差があるのは、自治体ごとに見込み額を算出し、65歳以上の人口で割る仕組みになっているためです。保険料滞納問題では、電話や催告書などで滞納を減らす必要があります。
◆介護・介護予防サービス利用の仕方
- 「要介護認定」の申請をします
申請は市町村の担当窓口で行います。本人やご家族のほか、ケアマネジャーなどが代行することもできます。 - 訪問調査が行われます
1次調査として、調査員による74項目の聞き取りが行われます。心身の状況について、正直にお答えください。
かかりつけ医の意見書(心身の状態)を役所に送付してもらいます。事前にかかりつけ医を受診してください。 - 審査・判定(介護認定審査会)
上記の結果に基づいて、行われます。認定が決まるまで申請から約1カ月かかります。 - 認定
審査の結果、軽いほうから重い順に、非該当、要支援1・2、要介護1〜5の8つに分けて認定されます。
認定がおりると、担当ケアマネジャーを決め、介護サービスや介護予防サービスの利用について相談します。 - ケアプランの作成
ケアマネジャーと相談のうえでケアプランを作成し、サービス開始となります。要支援1・2の方は高齢サポート(地域包括支援センター)が、要介護1〜5の方は居宅介護支援事業所などが担当します。非該当の方は、介護保険サービスの利用はできません。市町村の地域支援事業など介護サービス以外の方法で健康維持を図ってください。
実際の利用者さまの負担額は、支給限度額の1割(高額所得者は2割)です。限度額を超える利用は、実費負担となります。
◆ケアマネジャーとは
都道府県知事が認定する専門職です。援助に対する専門家で、要介護認定の手続きを行うことができるほか、介護サービス利用の相談・調整を行います。現在、ケアマネジャーが担当することで利用者さまの自己負担が発生することはありません。また、担当となったケアマネジャーと相性が良くないときは、担当を変更することもできます。
◆介護保険で受けられるサービス
在宅サービスと公的介護施設サービスがあります。在宅サービスには、自宅に訪問を受けるサービス、自宅から通うサービス、施設に入所するサービス、福祉用具や住宅改修などのサービス、そのほかのサービス があります。公的介護施設サービスには、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設があります。以下、各在宅サービスについてご説明します。
都道府県知事が認定する専門職です。援助に対する専門家で、要介護認定の手続きを行うことができるほか、介護サービス利用の相談・調整を行います。現在、ケアマネジャーが担当することで利用者さまの自己負担が発生することはありません。また、担当となったケアマネジャーと相性が良くないときは、担当を変更することもできます。
◆介護保険で受けられるサービス
在宅サービスと公的介護施設サービスがあります。在宅サービスには、自宅に訪問を受けるサービス、自宅から通うサービス、施設に入所するサービス、福祉用具や住宅改修などのサービス、そのほかのサービス があります。公的介護施設サービスには、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設があります。以下、各在宅サービスについてご説明します。
自宅に訪問を受けるサービス
- 訪問看護
訪問看護師が主治医の指示により訪問します。 - 訪問リハビリテーション
医師の指示により理学療法士や作業療法士が訪問します。 - 訪問入浴介護
看護師1人と介護師2人が、専用の浴槽を積んだ入浴車で訪問します。ご自宅の居室で入浴していただきます。 - 居宅療養管理指導
月2〜4回、医師・薬剤師・歯科衛生士などが訪問し、療養上の管理指導を行います。
自宅から通うサービス
- 通所介護(デイサービス)
半日や1日の場合があります。認知症にも対応します。 - 通所リハビリテーション(デイケア)
理学療法士らの指導を受けます。
施設に入所するサービス
- 短期入所生活介護
- 短期入所療養介護
- 特定施設入居者生活介護
有料老人ホームなどでの生活介護
福祉用具や住宅改修など
- 車いすやベッドなどの福祉用具貸与
- 入浴や排泄に使用する福祉用具購入
申請によりその費用の9割(支給額は最高9万円)を支給。 - 手すりの取り付けや段差解消など住宅改修
申請により改修費の9割(支給額は最高18万円)を支給。1住居1人が対象。
そのほか
- 認知症対応型の共同生活介護(グループホーム)
- 通所を中心にしたサービスを組み合わせた小規模多機能型居宅 など
◆ケアマネジャーだからできること
- 相談の受け付け
暮らしのなかでお困りになっていることや不安に感じていることを教えてください。
ご相談内容に応じて、介護保険のサービスが利用できるかどうかを判断し、適した窓口をご案内します。要介護や要支援の認定を受けておられない場合は、申請を手伝います。 - 課題を分析
ご本人やご家族がこれからどのように暮らしていくのが良いかを、一緒に考えます。お体のこと、ご家族のこと、ご自宅のご様子、暮らしのことをお聞かせください。 - ケアプランの作成
どんなサービスを利用すれば自立した生活に近づくか、ケアプランを作成します。急ぎの場合は、要介護認定がおりる前でもプラン作成にあたります。
このほか、配食サービスや訪問マッサージ(医療保険)、訪問歯科(同)、ごみ収集、生活保護、成年後見制度など、介護保険外のサービスについても、ご説明します。 - サービス調整
担当の医師にも相談しながら、サービスを提供してくれる事業所を探します。ご利用いただくサービスを提案しますが、決めていただくのはご本人やご家族です。納得いかないときは、遠慮なさらずにケアマネジャーに言ってください。 - プラン開始
ご本人、ご家族、医師、サービス関係者と「サービス担当者会議」を開きます。 - プラン管理
毎月1回、ご自宅を訪問し、サービス計画がどのように進んでいるかを確認(モニタリング)します。 - そのほか
ケアマネジャー1人ではできないことでも、ほかの職員、医師や地域包括支援センター、福祉事務所や民生委員さんたちと連携し、より良い暮らしの方法を探ります。
- 「お金の管理をしてほしい」
⇒ ケアマネジャーは、お金の管理はできません。 - 「家の鍵、預かっといて」
⇒ 鍵を預かることはできませんが、ほかの方法を一緒に考えます。ご近所に協力を仰いだり、行政の支援策を考えたりします。 - 「全部任せとくし!」
⇒ ケアマネジャーだけでは決定できません。ご本人やご家族、専門家とともに考えます。