2016年09月23日

らくわ健康教室「こんにちは、訪問看護でーす 〜あなたの笑顔がみたくて〜」

2015年8月3日開催のらくわ健康教室では、「こんにちは、訪問看護でーす 〜あなたの笑顔がみたくて〜」と題して、洛和会訪問看護ステーション大津 課長で看護師の中嶋 智子(なかじま ともこ)が講演しました。

概要は以下のとおりです。

4381.jpgはじめに
介護保険制度が始まって以来、ヘルパーやデイサービスなどは広く知られてきました。でも、訪問看護について知っている人は少ないようです。今回は、その訪問看護について、ご説明します。

地域包括ケアとは
急速な高齢化が進んでいるわが国では、「2025年問題」ということがよく言われます。団塊の世代がそろって75歳以上となり、国民の4人に1人が75歳以上の後期高齢者となるのが2025年です。
そのような状況のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを最後まで続けることができるよう推進されているのが地域包括ケアです。地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築を進めています。

訪問看護って知ってる?
看護師が、患者さまのお宅を訪問して、健康面や生活などで気になっていることをお聞きし、血圧や脈拍を測定したり体調を観察し、医療と生活の両面を併せて判断します。人間にとって大切な「食う、寝る、出す」などについて確認します。
医療的なケアは、かかりつけ医と相談して、指示を受けて行います。病気や障害の状況を考慮しつつ、安心して生活を続けることができる方法を、ご本人やご家族と一緒に考えます。
生活全般を支えるために、医師やケアマネジャー、介護職(ヘルパー)、リハビリ職など、在宅ケアに関係する多くの職種と協力して、生活を続けるためのお手伝いをするのが訪問看護です。

在宅でできる医療措置
訪問看護では、以下のような医療措置も在宅で行います。
  • 経管栄養
    ※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

    12.jpg
    口から食べられなくなった人に対する栄養補給法です。胃ろうの場合、1食15分もあれば準備から注入まで終えられます。
    このほか、中心静脈栄養といって、心臓近くの太い静脈に管(カテーテル)を挿入し、カロリーの高い点滴をする方法もあります。
  • 膀胱留置カテーテル、腎ろう、膀胱ろう
    尿道から膀胱などに管を入れて留置し、おしっこを出す方法です。膀胱がんなどで膀胱を取ってしまった人は、腎臓に直接管を入れて、おしっこを出します。
  • 在宅酸素療法
    15.jpg
    呼吸機能が低下した人に対する酸素吸入法です。器械を家に置いて活用します。外出時には子機に酸素を入れて持参します。器械の管理が必要なので、訪問看護で行います。
  • 人工呼吸療法
    器械を使って呼吸の補助を行います。二酸化炭素の排出と酸素の取り込みを助けます。睡眠時無呼吸症候群の人は、寝るときに鼻にマスクをしてこの器械につなぎます。
  • 在宅腹膜潅流(CAPD)
    17.jpg
    在宅で行う人工透析です。半透膜である腹膜を利用し、腹膜の中に一定時間、透析液を入れ、血液中の老廃物を溶け出させて体外に排出します。自己管理ができる人には勧めています。
  • 人工肛門(ストマ)
    18.jpg
    手術によっておなかに設置する便や尿の排泄出口です。無理な姿勢をとるとトラブルが起きたりしますので、訪問看護で管理します。
  • 気管カニューレ
    19.jpg
    口と鼻から呼吸できない人に行う措置です。首もとの凹んだところから気管を切って、カニューレを入れ、呼吸や痰の吸引などを行います。在宅での管理や交換を訪問看護で行います。
  • 麻薬(疼痛管理)
    内服薬はもちろん、貼り薬、坐薬など、形態はさまざまです。上手に使えば、がんの末期でも自宅で過ごせます。疼痛管理に優れた医師を選んで、その指示のもとで訪問看護を受けると良いでしょう。
  • 褥そう処置
    褥そう(床ずれ)は、軽いうちに治すことが肝心です。皮1枚程度がむけたぐらいの段階で適切な処置をすると、早く治ります。でも、大丈夫だろうと放置しておくと、傷が深くなり、治りにくくなるため、ご家族の指導も訪問看護師の役割です。
訪問看護の費用
訪問看護は、病気によって介護保険の適用を受ける場合と、医療保険の適用を受ける場合に大別されます。また、患者さまの家計状態によっては福祉医療の適用を受けられる場合もあります。訪問看護師は、各保険や制度を検討して、一番負担がかからない方法を考えます。介護保険で毎週1回、60分の訪問看護を受ける場合、概算ですが月に4,000円程度の費用負担となります。

大津市の多職種連携
各地域包括支援センターの活動に加え、大津市では、医師と訪問看護師、ケアマネジャー、地域包括支援センター、歯科医師、薬剤師などが「関者会」をつくり、2カ月に1回、情報交換しています。
通常、訪問看護を導入するきっかけは、ケアマネジャーからの連絡によることが多いのですが、「何かいつもと違うけれど、救急車を呼ぶほどでもないし…」というときなどは、電話してもらえれば、相談にのります。場合によっては夜中でも訪問看護に赴きます。
高齢化の進行の結果、病院だけでは対応できなくなり、在宅で医療行為を受ける機会が今後増えていくと思われます。訪問看護についても理解を深めていただければ幸いです。

カテゴリー:らくわ健康教室 | 更新情報をチェックする