概要は以下のとおりです。
◆はじめに
健康寿命とは、健康上の問題がない状態で自立した生活が送れる期間のことです。平均寿命(男性80.21歳、女性86.61歳)と比べると、男性で約9歳、女性で約12歳の差があります。この差を少しでも縮めて健康寿命を延ばすために、ロコモ予防が欠かせないことをご説明します。
◆ロコモとは
ロコモとはロコモティブシンドロームの略で、医療分野では「運動器の障がいにより移動機能が低下した状態」のことを言います。運動器とは、骨や筋肉、関節、神経など、体を動かすために必要な機能の総称です。要支援・要介護になった原因のうち、運動器の障がいは25%と最大を占めており、ロコモ予防は介護予防の意味でも重要です。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

◆ロコモチェックをしてみましょう
日本整形外科学会による、簡単なロコモ判定法は以下の通りです。
1つでも当てはまれば、ロコモの心配がありますので、予防に努める必要があります。◆ロコモの原因となる運動器疾患
主な疾患は、以下の通りです。

健康寿命とは、健康上の問題がない状態で自立した生活が送れる期間のことです。平均寿命(男性80.21歳、女性86.61歳)と比べると、男性で約9歳、女性で約12歳の差があります。この差を少しでも縮めて健康寿命を延ばすために、ロコモ予防が欠かせないことをご説明します。
◆ロコモとは
ロコモとはロコモティブシンドロームの略で、医療分野では「運動器の障がいにより移動機能が低下した状態」のことを言います。運動器とは、骨や筋肉、関節、神経など、体を動かすために必要な機能の総称です。要支援・要介護になった原因のうち、運動器の障がいは25%と最大を占めており、ロコモ予防は介護予防の意味でも重要です。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。

◆ロコモチェックをしてみましょう
日本整形外科学会による、簡単なロコモ判定法は以下の通りです。
1つでも当てはまれば、ロコモの心配がありますので、予防に努める必要があります。
- 2kg程度(1リットルの牛乳パック2個程度)の買い物をして持ち帰るのが困難である
- 家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 片脚立ちで靴下がはけなくなった
- 階段を上るのに手すりが必要である
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 15分くらい続けて歩くことができない
主な疾患は、以下の通りです。
- 変形性関節症:変形性膝関節症、変形性股関節症など
- 変形性脊椎症:腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症
- 骨粗しょう症:大腿骨転子部/頸部骨折、脊椎圧迫骨折
◆変形性関節症
変形性関節症は、加齢に伴って関節表面の軟骨がはげて骨がむき出しになる結果起こります。正常な軟骨には痛みを感じる神経がありませんが、骨には痛みを感じる神経があるため、骨がこすれると痛みます。

手術による治療が必要な場合は、人工素材を関節部分に埋め込む人工関節置換術を行います。人工関節は、耐用年数が20年以上あります。痛みが消え、生活が楽になります。
◆腰部脊柱管狭窄症
背骨の中には、神経の通り道である脊柱管が通っています。背骨は椎体と呼ばれる骨が積み重なる形でできており、椎体と椎体の間に椎間板といわれる軟骨があります。この椎間板が、加齢に伴って薄くなり、つぶれてくると、それを止めようとして上下の骨が出てきて、神経の通り道を狭めることになります(脊柱管狭窄)。その結果、間欠跛行(かんけつはこう:しばらく歩くと痛くなり、休んでいると痛みが消えるが、またしばらく歩くと痛くなる)や、下肢の痛みなどの症状が出てきます。

◆骨粗しょう症による骨折
骨粗しょう症が進行すると、骨がスカスカの状態となり、折れやすくなります。大腿骨転子部骨折や大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折などに注意が必要です。脊柱管圧迫骨折は転倒(尻もち)で生じることが多いですが、なかには中腰の体勢になったり、重い物を持つだけで骨折することもあります。70歳代前半の人の25%、80歳代以上の43%に認められます。

実は、骨折に気付かずに脊柱管圧迫骨折が治ってしまうことも珍しくありません。骨粗しょう症による軽度の圧迫骨折の場合は、簡易コルセットなどの外固定をし、前屈を禁じ、比較的安静を保つことで、多くの場合、3〜4週間で痛みが軽快し、治癒に向かいます。しかし、偽関節(骨がくっつかない)や後弯(こうわん)変形(背骨が曲がる)などの後遺症の恐れがある場合は、手術などが必要となってきます。手術には、椎間板にセメントを充てんする椎体形成術などがあります。
骨粗しょう症による骨折は、転倒が原因のことが多いので、日常生活で転ばないように気を付けてください。
◆ロコモ度テスト
将来、自分もロコモになりそうかどうかを調べる「ロコモ度テスト」があります。立ち上がりテストや、2ステップテスト、ロコモ25の3通りの方法があります。いずれも日本整形外科学会のホームページで紹介しています。

◆ロコトレしよう
ロコモは、適度な運動を続けることとバランスの良い食事をとることで予防できます。最低限の運動として、ロコトレを続けましょう。

◆まとめ
変形性関節症は、加齢に伴って関節表面の軟骨がはげて骨がむき出しになる結果起こります。正常な軟骨には痛みを感じる神経がありませんが、骨には痛みを感じる神経があるため、骨がこすれると痛みます。


手術による治療が必要な場合は、人工素材を関節部分に埋め込む人工関節置換術を行います。人工関節は、耐用年数が20年以上あります。痛みが消え、生活が楽になります。
◆腰部脊柱管狭窄症
背骨の中には、神経の通り道である脊柱管が通っています。背骨は椎体と呼ばれる骨が積み重なる形でできており、椎体と椎体の間に椎間板といわれる軟骨があります。この椎間板が、加齢に伴って薄くなり、つぶれてくると、それを止めようとして上下の骨が出てきて、神経の通り道を狭めることになります(脊柱管狭窄)。その結果、間欠跛行(かんけつはこう:しばらく歩くと痛くなり、休んでいると痛みが消えるが、またしばらく歩くと痛くなる)や、下肢の痛みなどの症状が出てきます。

◆骨粗しょう症による骨折
骨粗しょう症が進行すると、骨がスカスカの状態となり、折れやすくなります。大腿骨転子部骨折や大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折などに注意が必要です。脊柱管圧迫骨折は転倒(尻もち)で生じることが多いですが、なかには中腰の体勢になったり、重い物を持つだけで骨折することもあります。70歳代前半の人の25%、80歳代以上の43%に認められます。

実は、骨折に気付かずに脊柱管圧迫骨折が治ってしまうことも珍しくありません。骨粗しょう症による軽度の圧迫骨折の場合は、簡易コルセットなどの外固定をし、前屈を禁じ、比較的安静を保つことで、多くの場合、3〜4週間で痛みが軽快し、治癒に向かいます。しかし、偽関節(骨がくっつかない)や後弯(こうわん)変形(背骨が曲がる)などの後遺症の恐れがある場合は、手術などが必要となってきます。手術には、椎間板にセメントを充てんする椎体形成術などがあります。
骨粗しょう症による骨折は、転倒が原因のことが多いので、日常生活で転ばないように気を付けてください。
◆ロコモ度テスト
将来、自分もロコモになりそうかどうかを調べる「ロコモ度テスト」があります。立ち上がりテストや、2ステップテスト、ロコモ25の3通りの方法があります。いずれも日本整形外科学会のホームページで紹介しています。


◆ロコトレしよう
ロコモは、適度な運動を続けることとバランスの良い食事をとることで予防できます。最低限の運動として、ロコトレを続けましょう。

◆まとめ
- 要支援・要介護になる原因で最も多いのがロコモティブシンドローム(ロコモ)です。
- 3つの「ロコモ度テスト」で、将来ロコモになりそうかどうか調べてみましょう。
- ロコモを予防するためには運動の習慣が大切です。最低限「ロコトレ」を行いましょう。