2016年04月21日

らくわ健康教室「高血圧に関係する病気を防ぐ食事」

2016年2月17日開催のらくわ健康教室では、「高血圧に関係する病気を防ぐ食事」と題して、洛和会音羽記念病院 栄養管理部 主席係長で管理栄養士の長谷川 由起(はせがわ ゆき)が講演しました。
概要は以下の通りです。

7116.jpg高血圧とは
高血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁に与える圧力(血圧)が高くなり、血管に大きな負担がかかる状態のことです。高血圧は自覚症状がほとんどないため、高血圧状態が続くと動脈硬化が進み、さまざまな合併症を引き起こす危険があります。

血圧の測定
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
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高血圧は、一般に収縮期血圧(上・高い方)が140mmHg以上、拡張期血圧(下・低い方)が90mmHg以上のことを言いますが、家庭ではリラックスした状態で測定するため、5mmHgずつ低い「収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上」の数値を指します。

高血圧と塩分の取り過ぎ
日本で高血圧の人の90%は、ほかの病気やホルモンの異常などがなく、原因が明らかでない「本態性高血圧」と考えられています。本態性高血圧は、遺伝的な要素や生活習慣が関係していると考えられており、なかでも食塩の取り過ぎが大きく関わっています。
体には塩分濃度を一定に保つ働きがあります。食塩を取り過ぎると血液中の塩分濃度が高くなり、それを下げるために水分を多くため込みます。その結果、血液量が増え、大量の血液を押し流すため血管壁に高い圧力が加わり、高血圧になるのです。
下の「塩分チェック表」で、普段どれほど塩分を摂取しているか、自己採点してみましょう。
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食塩摂取の一日の目標量
日本の場合、一般の人では男性が1日8g未満、女性は7g未満(日本人の食事摂取基準2015年度版)ですが、高血圧の人の場合は、6g未満が目標です。
一方、WHO(世界保健機関)は、「成人は1日5g未満にするべきだ」という指針を公表しています(2013年1月31日)。
実際の日本人の食塩摂取量は、毎年少しずつ減ってはいますが、2013年時点で男性は11.1g、女性は9.4gで、いずれも基準を上回っています。

食べ物に含まれる食塩量
加工食品や調味料に含まれる食塩量の例を以下に示します。
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調味料の食塩量
小さじ1杯すり切りの食塩量は、それぞれ下記の通りです。
  • 塩=6.0g
  • 濃口醤油=0.9g
  • 薄口醤油=1g
  • たまり醤油=0.8g
  • ポン酢醤油=0.5g
  • 八丁みそ=0.7g
  • 白みそ=0.4g
  • コンソメ=4.4g
  • ウスターソース=0.5g
  • 中濃ソース=0.3g
  • マヨネーズ=0.1g
  • 料理酒=0.1g 
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減塩の工夫
ご家庭で調理や食事される際、以下のようなことにご留意ください。
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このほかにも、一度に多量の調味料が出ないような容器を使ったり、減塩食品を上手に使ったりすることで、薄味や減塩に少しずつ慣れていきましょう。
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洛和会音羽記念病院の「かるしお」例 
  • 朝は無塩パンにして、副食に食塩を使う。
  • 炒め物などの場合は、調味料にとろみをつけて、からみやすくする。
  • 酢の物やマヨネーズ・かき揚げなど、食塩をほとんど使わない一品を用意する。
  • しょうが・ゆずなどを使用する。
  • 市販のたれやソース、調味料を少量使う場合もある。
  • 青菜・ブロッコリーなど野菜を湯がくときに塩を使わない。
  • 少ない塩を水や酒に溶かし、魚に下味をつける(ふり塩は全体に味が行き渡らないため)
  • 大根おろしは水気をきってから調味料を合わせる。
  • ゆがいた野菜もしっかり水気をきってから、調味料を合わせる。
牛乳も上手に生かそう  
日本人の食事は、カルシウムが少なく塩分が多いといわれています。それを改善する一例として、「乳和食」を病院食にするところも現れています。
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生活習慣の見直しも大切です  
  • 適正体重を維持する
    体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が25未満であることが望ましいです。
  • 野菜や果物を積極的に食べる
    カリウムが多い野菜や果物を食べることでナトリウムの排泄を促します。※腎臓が悪い人やカリウム値の高い人には適さない。
  • アルコールは適量を
    ビールなら中ビン1本が適量。ワインならグラス2杯弱、日本酒なら1合、焼酎なら半合弱、ウイスキーやブランデーならダブル1杯分に相当します。
  • 運動習慣を身につける
    ウオーキングなどの有酸素運動を中心に、毎日30分以上を目標に行いましょう。
  • 高血圧と関連の深い脳卒中の予防も参考に
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  • 魚や野菜を取る
    飽和脂肪酸の多い肉の脂身・バラ肉や鶏肉の皮、乳製品、バターなどは取り過ぎに注意を。善玉(HDL)コレステロールの多い魚や野菜、きのこ、海藻類などを積極的に取りましょう。
  • 伝え方にも、一工夫を
    「この食品は減塩になっているよ」と言うと、「おいしくない」と連想させやすくなります。「今日の料理は、だしを効かせたよ」「レモン風味だよ」など、表現を工夫することで、薄味が好きでない人もおいしく食べられるでしょう。(ラべリング効果)



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