2017年03月27日

らくわ健康教室「介護保険とケアマネジャー 〜困ったときの相談窓口〜」

2016年6月9日開催のらくわ健康教室は、「介護保険とケアマネジャー 〜困ったときの相談窓口〜」と題して、洛和会医療介護サービスセンター丸太町店 係長 介護支援専門員の高木 美紀(たかぎ みき)が講演しました。 

概要は以下の通りです。

B用写真IMG_8039.jpgはじめに
介護保険制度は、3年ごとに改正されています。負担割合や対象者の範囲が変わるなど、制度発足当初とは変化も出ています。本日は、その点も含めて、介護保険制度とケアマネジャー(以下、ケアマネ)の仕事についてご説明します。

◎突然ですが、◯×問題です
 介護保険は平成12年から始まった?
 答えは「◯」です。
 介護保険サービスは、65歳から利用できる?
 答えは「◯」です。(例外あり)
 介護保険料は20歳から支払っている?
 答えは「×」です。介護保険料は40歳から支払いが始まります。
 介護サービスの利用料は、介護費用の1割負担である?
 答えは「×」です。制度発足当初は確かに1割負担でしたが、2015年8月以降、高額所得者に限って負担割合が2割に引き上げられました。それ以外の方は、従来通り1割負担です。

介護保険制度とは
介護保険制度とは、介護が必要な状況になっても自立した日常生活ができるよう、介護を必要とする方々を社会全体で支える仕組みです。65歳以上で介護や支援が必要と認定された方(第1号被保険者)のほか、特定疾病(がん末期、関節リウマチ、認知症など)により、介護や支援が必要とされた40歳以上65歳未満の方(第2号被保険者)が対象です。

ケアマネジャーとは
ケアマネ(介護支援専門員)は、介護を必要とされる方からの相談に応じ、適切な介護サービスが利用できるよう調整する専門職です。介護保険法に基づく資格を取得しており、5年ごとに資格が更新されます。

介護保険サービスの利用
介護保険サービスを受けるには、介護認定を受ける必要があります。お近くの区役所などに行けば、京都市などが作ったガイドブックがあり、制度の全体像や施設一覧、サービスの利用手続きなどが分かります。

ケアマネの仕事
  • その1:相談に応じます
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    高齢サポート(地域包括支援センター)は、中学校区ごとに1カ所ずつ、京都市内には61カ所あります。介護、福祉、医療の面から総合的に支援する公的な地域の相談窓口です。居宅介護支援事業所とは、要介護認定の申請や、居宅サービス計画(ケアプラン)の作成を行う事業所です。ケアマネは、これらの施設に常駐しています。このほか、区役所にも相談窓口があります。

  • その2:申請手続き
    市町村の介護保険窓口に、介護保険の「申請代行」を行います。本人やご家族が直接申請することも可能です。申請に必要な書類は、要介護認定等申請書と、介護保険被保険者証です。

    <要介護(支援)認定>
    申請があると、認定に向けた調査や審査が始まります。まず、調査員がご自宅に訪問して、お体の状態などについてお聞きします。(一次判定)
    この結果と、主治医の意見書をもとに、専門家による認定審査会が開かれ、要介護認定区分が決まります。(二次判定)
    その結果、介護の必要がないと判定されれば「非該当」の認定が、支援や介護が必要と認められれば、軽いほうから要支援1、要支援2、要介護1〜5の7段階に区分されます。
    要支援1、2は、現在は高齢サポート(地域包括支援センター)が担当し、要介護1〜5は、居宅介護支援事業所が担当しています。
    今後、要支援1、2は、介護保険制度の枠から外れ、市町村が独自で対応する方向とも伝えられますが、詳しいことはまだ、決まっていません。

  • その3:課題の分析
    要介護(支援)認定が下りると、担当のケアマネを決めていきます。要介護の場合、ケアマネの事業所は選ぶことができます。ケアマネは、今かかっておられるご病気やお体の状態、お宅の環境などから、これからの暮らしに何が必要なのか、一緒に考えます。ご自宅に伺って、どうして介護が必要な状態になったのか、今までどのような生活をされてきたのか、これからどのように暮らしていきたいのか…などを詳しく伺い、課題を分析します。

  • その4:ケアプランの作成
    ご自身でなさっていることに加えて、どのようなサービスをどのくらい利用すれば、めざす暮らしになるのかを考えます。ケアプランを作るときに、ケアマネはご本人の生活維持・向上のことを考えて、ご希望と違う提案をするかもしれません。ただ、決めるのはご本人やご家族です。納得がいかないときは、遠慮せずにケアマネに言ってください。ケアプランが決まれば、ケアマネは、主治医にも相談しながらサービスを提供してくれる事業所を探します。サービスは、施設に通う「通所」サービスと、ご自宅に伺う「訪問」サービスに大別されます。
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    要介護2のAさん(1割負担)の例を以下に示します。
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  • その5:サービス担当者会議の開催
    めざす暮らしの方向性を本人、ご家族、医師、サービス事業者たちと共有します。会議は、初めてサービスを使われるときや、本人のお体の状態やご家族の状況が変わられたとき、担当者から提案があったときに開きます。

  • その6:ケアプランの管理と再評価
    目標に沿ったサービスを受けたり、取り組みができておられるのか、新たにお困りになっていることや不安に感じておられることなどがないかなどを確認します。毎月、お宅を訪問してお体の調子に変わりはないか、ご家族に変化はないか、このままのケアプランで良いのかを確認し、必要な見直しを行います。どんなことでもご相談ください。ケアマネを代えることも可能です。

ケアマネのできること、できないこと
以下のような事例がよくあります。
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このほか、「言うことを聞いて」と言われることもありますが、ケアマネの仕事はご本人の自立支援が基本ですので、単に楽だから、というご要望にはお応えできず、ほかの提案をすることもあります。

良いケアマネとは
  • じっくりと話を伺います。
  • 要望や疑問に素早く対応します。
  • 介護保険以外のことも専門家と相談し、お答えします。

    ご本人に寄り添い、ともに考えます。
おわりに
団塊の世代がそろって75歳以上となる2025年には、認知症や一人暮らしの方がさらに増えることが予想される一方、介護の担い手が不足する懸念があります。このため、介護保険制度の縮小は避けられないとも言われています。国は、暮らし慣れた住まいを中心として、自分でできること(自助)、お互いにできること(互助)、制度でできること(公助)、地域の中で工夫してできること(共助)を組み合わせた「地域包括ケアシステム」を構築していく方針です。高齢者自身が社会参加の担い手として活躍することも期待されています。
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