2009年12月19日

肺炎球菌ワクチン

〜合併症を防ぐために!〜

洛和会音羽病院 感染症科 大野 博司(おおの ひろし)

肺炎を引き起こす肺炎球菌
日本人の死因で4番目に多いのが肺炎です。特に抵抗力の低下した高齢者が肺炎にかかると症状が重くなることが少なくありません。日本人の肺炎の約50%が肺炎球菌という細菌が原因とされています。また昨今話題になっている季節型・新型インフルエンザの感染者のうち、重症になるケースの約半分が、肺炎球菌による肺炎を合併するといわれています。

肺炎球菌ワクチンとは?
0912oono 肺炎球菌ワクチンは肺炎にかかるのを予防する働きと、肺炎を起こした場合でも重症化することを防ぐ働きをします。
抵抗力が低下している高齢者や、心臓・呼吸器の慢性疾患のある方、在宅酸素を受けている方、糖尿病・腎不全・肝機能障害のある方は、肺炎を起こすと重症になることが多いため、接種した方が良いでしょう。

接種方法と副反応
1回0.5mlを筋肉内または皮下に注射します。1回接種で少なくとも5年間は効果が持続しますので、毎年接種する必要はありません。注射をした部分が赤くなったり、少し痛みが出ることがまれにあります。
今年はワクチンの供給数が減少していますので、接種希望の方は必ず事前に外来担当医か感染症科医にご相談・ご確認ください。

お問い合わせ
洛和会丸太町病院 総合診療科
075(801)0351(代)
洛和会音羽病院 感染症科
075(593)4111(代)


0912 (『おとまるクン』2009年12月号より)
「おとまるクン」は患者さま・利用者さま向けの広報誌です。健康管理や病気の治療に関する解説を中心に、医療・介護施設の紹介やイベント情報などを掲載しており、毎月1日に発行しています。
洛和会ヘルスケアシステムの各施設の入り口にラックを設置し、自由に持ち帰っていただけるようになっていますので、来院・来所された際にはぜひ手にとってご覧ください。

■広報誌「おとまるクン」についてのお問い合わせは
アールプランニング TEL 075(593)7789 まで

2009年10月28日

ムンプスウイルス ワクチン<おたふく風邪>

〜怖い合併症も?〜

洛和会音羽病院 小児科 医員 井代 学(いしろ まなぶ)

0910drishiro 一般的に「おたふく風邪」と呼ばれる流行性耳下腺炎は、だ液をつくるだ液線〔耳の下にある耳下腺やあごの下にある顎下腺(がっかせん)〕にムンプスウイルスが炎症を起こすことをいいます。耳下腺・顎下線に炎症が起こると、その部分が腫れてあたかもおたふくのお面のように顔がまあるくみえることから、この名前で呼ばれるようになりました。
ウイルス感染症ですので、集団生活を始める4歳前後に最もかかりやすく、だ液腺の腫れとともに発熱することがほとんどです。また、それほど高頻度ではありませんが、無菌性髄膜炎、重度の難聴、睾丸炎(こうがんえん)などの怖い合併症の心配があります。ムンプスウイルスに対する特効薬はありませんので、重い症状や後遺症で苦しむよりは、ワクチン接種で抵抗力をつけて感染を防ぐほうが賢明といえるでしょう。
現在は任意予防接種として、1歳以降に接種することが可能です。お子さんに早いうちから集団生活をさせるのでしたら、万が一を考え、おたふく風邪の予防接種も受けることをお勧めします。ほかの予防接種とのスケジュールについては、ぜひ小児科医にご相談ください。

お問い合わせ・ご予約
洛和会音羽病院
予約センター  0120(489)300
小児科     075(593)4111(代)


0910otomaru (『おとまるクン』2009年10月号より)
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2009年08月11日

BCGワクチン

〜結核 年に2万人以上が感染〜

洛和会音羽病院 小児科
副部長 徳永 千恵美 (とくなが ちえみ) 

ミイラからも結核が?

結核はもともと牛の病気でした。牛を家畜として飼うようになった紀元前6000年ごろ、結核にかかった牛の乳を飲んだ人が感染したのが、人間と結核のかかわりの始めだそうです。その後、結核菌は人の体に適応するよう進化し、かかった人の咳や痰から空気中に飛び散った結核菌を吸い込むことで人から人にうつる伝染病となりました。古くはエジプトのミイラの背骨に結核の痕が残っていますし、日本には弥生時代に大陸から持ちこまれたようです。そして今でも国内で毎年2万人以上の人が発病している最大の感染症であり、最近では20歳代の人気お笑い芸人が発病したことは記憶に新しいですね。

予防接種は1日で済みます

0908tokunaga_3 結核予防のためのBCGワクチンは、約90年前に牛の結核菌を人に対してなるべく無害なかたちにして、生きたまま身体のなかに入れて抵抗力をつける生ワクチンとして使われ始めました。開発当初のヨーロッパでは飲むワクチンでしたが、現在日本ではこれを腕に塗り、9個の針が付いた管を2回押し付ける方法(管針法、ハンコ注射)をとっています。実はこの管針法は接種個所での副作用が軽くすむのですが、なぜか日本以外の国ではほぼ行われていません。

以前は、ツベルクリン反応という結核菌感染の有無を調べる検査をし、陰性の人にだけBCGワクチン接種を行っていましたが、2005年からはツベルクリン反応を受けることなく、3〜6カ月の赤ちゃん全員に直接BCGワクチンを接種する方法に変わりました。これで、数日を要していたBCGワクチン接種が1日で済むようになり、より受けやすくなったのです。

どんなに医学が進歩しても予防に勝る治療法はありません。わが国では、いまだ多数の結核患者を抱えています。未来を担う赤ちゃんたちを結核から守るため、生後3カ月になったら忘れずにBCGワクチンを受けさせ、結核への抵抗力をつけておくようにしましょう。

 

【BCGワクチン接種について】

定期接種
生後3〜6カ月の乳児のBCGワクチン接種は、お住まいの市町村の保健所などで無料で受けられます。接種を行う場所、日時は市町村によって異なります。お住まいの市町村の広報などで確認し、適切な時期に受けてください。

任意接種
生後6カ月までにBCGワクチン接種を受けられなかったときは、近くの小児科でご相談ください。

<お問い合わせ・ご予約>
洛和会音羽病院 小児科
TEL 075(593)4111(代)

洛和会音羽病院 予約センター
フリーダイヤル 0120(489)300


0908otomarukun (『おとまるクン』2009年8月号より)
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