2016年04月27日

らくわ健康教室【介護版】「ロコモティブシンドロームと介護予防」

2016年3月3日開催のらくわ健康教室では、「ロコモティブシンドロームと介護予防」と題して、洛和ホームライフ香里園 理学療法士の青山 麻理乃(あおやま まりの)が講演しました。

概要は以下のとおりです。

8999.jpgはじめに
「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」は、和名では、「運動器症候群」といいます。筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、もしくは複数に障害が起き、歩行や日常生活に何らかの障害を来している状態のことをいいます。2007(平成19)年、日本整形外科学会が提唱しました。

運動器とは何か?
身体活動に関わる骨・筋肉・関節・神経などの総称です。運動器が衰えると、立つ・歩くなどの動作=移動能力に影響が出てしまい、日常生活が一人では十分にできなくなってしまいます。そして将来的に寝たきりなどになってしまうリスクが高くなります。

ロコチェックしよう
日本整形外科学会は、現段階でロコモ予備軍になっていないか、ロコモの危険性に気づく「ロコチェック」(2007年)を発表しました。
次のような症状が1つでもある人は、ロコモの心配があります。
  1. 2kg程度(1リットルの牛乳パック2個程度)の買い物をして持ち帰るのが困難である
  2. 家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である
  3. 家の中でつまずいたり滑ったりする
  4. 片脚立ちで靴下がはけなくなった
  5. 階段を上るのに手すりが必要である
  6. 横断歩道を青信号で渡りきれない
  7. 15分くらい続けて歩くことができない
ロコモ度テストで自分の体を詳しく知ろう!
ロコモ度テストは、同年代の平均と比べて、現在の自分の移動機能を確認するためのテストです。「立ち上がりテスト」「ステップテスト」「ロコモ25」という3つのテストから成っています。
立ち上がりテストは、高さの違ういすから片足または両足で立ち上がる能力をみるもの、ステップテストは歩幅を測るもの、ロコモ25は心身の状態を問う25項目の質問に答えてロコモ度を調べるものです。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
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加齢とロコモ
  • 筋力の低下: 
    筋力は25歳前後をピークに低下し、65歳ではピーク時の3分の2になるといわれています。特に速筋(すばやい筋収縮に適した筋)の低下が顕著で、素早い動きが困難になるとされています。上肢より下肢の筋力低下が日常生活に大きな影響を及ぼします。
  • 骨の強度低下:
    骨はカルシウムを蓄える貯蔵庫としても働き、体内で形成と吸収を繰り返し、新しい骨が作られます。骨吸収が形成を上回ると、骨における退化現象が起こり、骨粗しょう症が進行します。運動を行うことによって、骨に刺激が加わり、骨量減少の予防効果が期待できます。
健康寿命をご存じですか?
WHO(世界保健機関)が2000(平成12)年に提唱した指標で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。ロコモは「運動器の障害により自立度が低下し介護が必要となる危険性が高い状態」ですので、ロコモ対策は健康寿命を延ばすために非常に重要であるといえます。平均寿命と健康寿命の差は、男性で約9歳、女性で約12歳(2013年統計)で、この差を少しでも縮めることが大切です。
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Let’s ロコモ予防!
「日常の生活習慣」と「適切な対処の有無」によって、移動機能は大きく変わります。年齢に関わらず、思い当たる習慣や症状がある場合には、
  • 生活習慣を見直す
  • 運動習慣を身に付ける
  • 医療機関を受診する
などの適切な対処が必要です。
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食生活でロコモ対策
  • 「筋肉」を強くする食生活
    筋肉の量を増やして筋力を高めるための最も重要な栄養素はタンパク質です。タンパク質の分解や合成を促進するビタミンB6を一緒にとると効果的です。タンパク質を多く含む代表的な食材には肉や魚、卵、乳製品、大豆製品が、ビタミンB6を多く含む代表的な食材にはマグロの赤身やカツオ、赤ピーマン、バナナ、キウイがあります。
  • 「骨」を強くする食生活: 
    骨粗しょう症予防にはカルシウムをとることが勧められています。タンパク質・ビタミンD・ビタミンKも併せてとるようにしましょう。カルシウムを多く含む代表的食材には、乳製品や小魚、緑黄色野菜、海藻類が、ビタミンDを多く含む代表的な食材には魚やキノコ類があり、日光に当たることでもとれます。ビタミンKを多く含む代表的な食材には、納豆や青菜があります。
ロコモ予防は長ーいお付き合い
運動や生活習慣の見直しは、長期間ゆっくり続けるほうが長続きします。短期集中で急激につけた筋肉は、運動をやめると急激に減ってしまいます。頑張りすぎずにゆっくり続けると、運動を中止しても効果が長続きします。無理をしない範囲で、運動や生活習慣の見直しをゆっくり長く続けていきましょう。
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2016年03月24日

らくわ健康教室【介護版】「入浴と癒やし 〜お風呂はストレスを適当なレベルまで下げてくれる〜」

2016年1月13日開催のらくわ健康教室では、「入浴と癒やし 〜お風呂はストレスを適当なレベルまで下げてくれる〜」と題して、洛和デイセンタースパ音羽 副係長で介護職の中嶋 妙子(なかじま たえこ)が講演しました。

概要は以下のとおりです。

7286.jpgはじめに
本日は、安全な入浴の仕方や、お風呂の癒やし効果、手作り入浴剤、洛和デイセンタースパ音羽での入浴サービスについてお話しします。

安心・安全に入浴できていますか?
皆さまはどんなお風呂に入っていますか? どんな入り方をしていますか?
入浴中の死亡事故は、年間1万4,000件も起きています。この数は、交通事故の死亡者数とほとんど一緒なのです。このうち1万2,000件は、高齢者の死亡事故です。溺死だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞による死亡例も珍しくありません。寒い北海道や東日本より、西日本のほうが多いことも特徴です。
安全な入浴方法は、お風呂の温度は40度以下、入浴時間は15分以内が目安(汗ばむ程度)です。
眠たくなったら、危険信号です。湯船から上がりましょう。でも急に立ち上がるとヒートショックを起こしかねないので、急に上がらず、ゆっくりと立ち上がりましょう。

ヒートショックって何?
急激な温度の変化で体がダメージを受けることです。暖かい居間から、温度差が10度以上ある、暖房のない脱衣所・浴室に入ると、血圧の急激な上昇や下降が起こり、倒れたり意識喪失などが起きることがあります。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます
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ヒートショックを防ぐには    
  • 入浴前:
    脱衣所を暖かくしておく。浴室の床・壁に暖かいシャワーをかけて浴室を温める。
  • 入浴中:
    湯船に入る前に手・足の末端部分からかけ湯をして、徐々に体を温める。入浴時間は、ほんのり汗ばむ程度に。
  • 入浴後:
    ゆっくり立ち上がって湯船から出る。  
入浴の前後には、コップ一杯程度の水分を補給しましょう。「せっかくのほっこりができない」と思われる方もおられるでしょうが、以上のような危険があるということを理解したうえで入浴していただきたいのです。また、ご家族が入っておられるときは、「湯加減はどう〜?」「大丈夫か〜?」などの声掛けもして、安全を確かめましょう。

お風呂による癒やし効果
入浴は、気持ちを鎮める働きがあります。副交感神経が働き、落ち着いた気分になります。
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このほか、入浴は、自分の好みに合わせたお湯・環境にすることによって、聴覚・視覚・嗅覚からも癒やされます。
  • 耳からくる癒やし
    自然の音(風の音、鳥の声、虫の音など)や自分の好きな音楽を聴きながら入浴すると、情景が頭に浮かび、過去にタイムスリップするような気がします。
  • 視覚からくる癒やし
    人間がものを認識する80%が色による情報で、見る色によって心身への作用は変わってきます。例えば、青いサングラスをかけて食べ物を見ると、おいしくなさそうな色に見えるため、食欲が落ちるといった感じです。では、「緑」はというと、落ち着き、平和、共感、成長、信頼などを意味します。緑は深い思いやりの色で、ヒーリングを表す色です。よって、お風呂場に観葉植物を置くのも癒やし効果があります。
  • 嗅覚からくる癒やし
    香りはストレスで疲れた心を癒やし、体の調子を上げてくれ、美容にも効果的です。柑橘系の香りは、気持ちが沈んだときに効果があります。フローラル系(ジャスミンなど)の香りは、こわばった心を癒やしてくれます。ラベンダーは、リラックス・安眠効果があります。
手作り入浴剤
昔から、以下のような手作り入浴剤が用いられてきました。

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ヨモギは、そのまま湯船に入れても、煮汁でも良いです。血行促進や、肩こり防止などに役立ちます。サクラは、木の皮を使います。湿疹や打ち身、炎症を抑えます。菖蒲(ショウブ)は、刻んで入れると温浴効果が上がります。

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ドクダミは、煮汁を入れます。三大薬草の一つで、さまざまな効用があります。ミントは、そのまま入れても煮汁でもいいです。上がったとき、さっぱりします。

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キクは、葉を袋に入れてお風呂に。ショウガは、すったり、刻んだものを入れますが、刺激があるので、皮膚の弱い方は要注意です。ミカンは、皮を干し、カリカリになったものを袋に入れてお湯に入れると、体が温まります。

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ユズは、爪楊枝で穴をあけたり半分に切ると、香りがより強く出ます。マツは、葉の油が体を温めてくれます。ダイコンは、葉を切って干して、カリカリに。それを刻んでネットに入れ、湯船に入れます。

このような方はどうしたら?
一人暮らしの方、体が不自由な方(高齢の方も)、浴槽が使いづらいなどの理由で自宅では入浴が難しい方は、どうしたら安心・安全で楽しい入浴ができるでしょうか? 安心して入れる入浴施設におけるチェックポイントは、誰かの目があって、浴室・浴槽の環境が整っているところ、入浴の手伝いをしてくれる人がいるところです。
銭湯や、介護施設が候補に挙がります。洛和デイセンタースパ音羽も、そんな条件を満たした施設です。

洛和デイセンタースパ音羽
オープンしてまだ1年の新しいデイセンターです。入浴は、午前10時〜午後1時と午後3時〜午後6時の短時間の2部制で、食事の提供もあります。無料フリードリンクも用意しております。介護保険制度に基づいた施設ですので、基本的には要介護認定を受けられた方が対象です。要介護度によって負担額が異なりますので、
詳しくは当施設[TEL:075(584)0002]までお問い合わせください。
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季節感にあふれたお風呂やジャグジーが楽しめます。車いすの方や歩けない方にも入っていただける「特浴」風呂もあります。

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2016年03月14日

らくわ健康教室【介護版】「ほっとサービス 家事代行 〜在宅サービスの今後を見据えて〜」

2015年10月7日開催のらくわ健康教室では、「ほっとサービス 家事代行 〜在宅サービスの今後を見据えて〜」と題して、洛和ヘルパーステーション山科 介護福祉士の上村 竜介(うえむら りゅうすけ)が講演しました。

概要は以下のとおりです。

0357.jpgはじめに
在宅サービスといえば、介護保険制度に基づいたホームヘルプサービスがよく知られていますが、同サービスにはさまざまな制約があります。今回は、ヘルパーができること・できないことをお知らせしたうえで、家事代行サービスについてお話しします。

ヘルパーができること・できないこと
  1. 頼んだ買い物のついでにビールも買ってきてほしい
    生活の必需品にあたらない嗜好品の買い物代行はできません
  2. 頼んだ買い物のついでに化粧品を買ってきてほしい
    化粧品も必需品として認められていません
  3. いつもはAスーパーだけれどBスーパーでお肉が特売なので、買ってきてほしい
    契約の段階で決めた買い物場所以外には行けません
  4. 部屋の掃除のついでに草むしりもお願いしたい
    掃除支援の契約でも、居住に直結した寝室などのほかはできません
  5. ついでに子どもの部屋もお願いしたい
    利用者ご本人に直接関わらない家族のエリアはできません。
  6. 電球の交換をお願いしたい
    簡単な電球の取り替え程度ならできます。
  7. 毎日、掃除に来てほしい
    ケアプランで特別に必要が認められている以外はできません。
  8. 娘と暮らしているのだが、洗濯は代行を頼みたい
    同居の家族がいる場合、基本的には生活援助ができません。
  9. 今出掛けているけれど、買い物に行っておいてほしい
    利用者さまが家におられないときはできません。
  10. 買い物に、今日は私も連れて行ってほしい
    ケアプラン外の急な対応はできません。
  11. ヘルパーのAさんを指名したい
    できるだけご希望に添えるよう努めますが、確約はできません。
以上のように、介護保険制度に基づいたヘルパーサービスには制約が多いことをご理解ください。保険料を納めている加入者への配慮という面もあります。

介護認定の仕組み
超高齢社会の日本では、2025年には国民の30%が65歳以上の高齢者になるといわれており、心身の衰えで支援を必要とする人が増えています。
介護保険は、65歳以上の方と特定疾患を患っている40歳〜65歳の方を対象に、必要な支援を行う制度です。
介護保険を利用するには、まず要介護認定を受ける必要があります。役所の担当窓口で、ご本人またはご家族が直接申請できますし、高齢サポート(地域包括支援センター)やケアマネジャー、介護保険施設が代行申請することもできます。申請後、所定の手続きを経て、要介護認定がなされます。非該当の人を除き、軽い方から要支援1、要支援2、要介護1〜5の7段階に分かれ、各段階に適したサービスが受けられます。
※以下の画像は全てクリックすると大きいサイズで見ることができます。
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介護サービスと介護予防サービス
現在は、要支援1・2の人は「介護予防サービス」を、要介護1〜5の人は「介護サービス」を利用できます。
このうち介護予防サービスは、ヘルパーが利用者さまの活動の一部をお手伝いすることで、利用者さまの自立を促す支援ですが、法の改正により2017年度からは介護保険制度から外れる方向です。市町村が相応の自立支援を行うことになっていますが、まだ詳細はこれから詰めていく段階です。
介護サービスは、これまで通り要介護1〜5の人を対象に実施されます。ただし、サービスの内容は変わっていく可能性があります。

介護サービスとは
要介護1〜5の人を対象に、可能な限りご自宅で暮らすことを目標にヘルパーが支援します。入浴、排泄、食事の介助などを行い、個々の能力に応じた日常生活の維持をめざします。身体介護のほか、一人暮らしの利用者さまなどの場合は、生活全般にわたる家事などの援助(生活援助)も行います。具体的な援助内容は、担当のケアマネジャーがご本人やご家族と話し合ったうえで決め、契約書を交わします。
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身体介護には、このほか、ご家庭からデイサービス施設などへの送り出し(着替え、身支度、持ち物確認、玄関までの移動)や迎え入れも含まれます。
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生活援助を利用できるのは、利用される方が一人暮らしの場合や、利用者さまのご家族に障がいや疾病がある場合、そのほか、やむを得ない事情により、家事を行うことが困難な場合です。

洛和会ヘルスケアシステムの生活支援(家事代行)サービス
今までの「介護保険対象外サービス」を含め、有料で提供するサービスです。2015(平成27)年1月から、洛和ヘルパーステーション山科で始めました。京都市山科区で、40歳以上で在宅で生活されている方々を対象に、介護認定の有無に関わらず家事代行サービスを提供します。料金は、1時間まで3,240円、それ以降は30分ごとに1,620円追加となります。
以下のようなサービスが可能です。
  • 掃除
    掃除機掛け、拭き掃除、掃き掃除、トイレや浴室などの水回り掃除
  • 台所
    食器や調理器具の洗いや片付け、簡単なレンジまわりの掃除
  • 付き添い
    通院の付き添い、映画や地域のイベントへの付き添い、買い物・外出の付き添い、退院時の付き添いなど
  • 食事の準備 
  • 買い物
    買い物の代行
  • 入院中のお世話
    家に着替えを取りに行くことや、洗濯、洗濯物干し、アイロン掛け
  • 退院後のお世話
    入浴介助など
  • そのほか
    季節の衣替えや押し入れの整理、冷暖房器具の出し入れなど
このように、介護保険によるヘルパーのサービスより、幅広いサービス提供ができます。
家事代行サービスでできないことは以下のとおりです。
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洛和会ヘルスケアシステムが行うサービスならではの特徴
家事代行サービスは、一般の企業や、家政婦派遣などの業界でも行われています。ただ、当会の特徴は、医療と介護の後ろ盾があることです。介護保険を利用してヘルパーサービスを受けておられる方は、不足する点があればその分を家事代行サービスで補えます。要介護以前の段階で家事代行サービスを利用している方の場合は、お体の具合が悪くなって要介護認定を受けることになっても、同じ事業所でスムーズに当会のヘルパーサービスの利用に移行できます。介護保険との使い分けを上手に行うことで、利用者さまの負担を少しでも減らすことが可能です。
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⇒ 生活支援(家事代行)サービスのページはこちら

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